福岡ドーム 野球観戦

パールじゅんこ

2018年05月09日 03:32

 ゴールデンウィークが過ぎて行った。



強風 高波に悩まされたゴールデンウィークの最終日
思いがけず一日休みが取れた。

職場に出かけていかなくても良い休日を
手に入れたのである。

私は家でゆっくりと過ごそうと考え
目覚ましをかけない朝を迎えた。
みいが遠慮がちに声をかけた。
「 お母さん もう 8時よ。 」・・と

HAYATOと共に起きると
主人が静かにテレビを見ていた。

遅い朝食の準備に取り掛かかった。
休日の朝食はおかずをつくるのが面倒なので
具沢山の味噌汁に卵を一個づつ加えた。
半熟の好きな主人の卵を早く取りだし
HAYATOと私の卵は少しだけ固まるまで
弱火で少しだけおいた。

HAYATOの為に
ジューサーに
バナナ 缶詰のみかん 缶詰のパイナップル 
牛乳 蜂蜜 氷をいれて ジュースをつくり
みいが準備していた明太子いりのパンを
HAYATOの皿にのせた。

ガラスの器にリンゴとイチゴを盛った。

主人と私は ご飯と味噌汁と漬物
HAYATOはパンとジュースと具沢山の味噌汁
和洋折衷の変な食卓だが
休みの日の我が家の定番である。

散歩を終えたみいが入ってきて言った。
「 あら 美味しそうなジュースね ウチにも頂戴。」と
拒食症を乗り越えたみいだが
いまだに朝食だけは家族と一緒に食べようとしないで
自分の好物だけを食べているのであった。

テレビでイチロウ選手のニュースを観ていたHAYATOが
促されて食卓に着いた。
野球が大好きなHAYATOは
テレビでの野球観戦を欠かせないのである。
遅い朝食をとりながらHAYATOが言った。

「 ばあば 福岡ドームに野球観にいかん? 」と

「 え?   今から? 」と言いながら
スマホで試合開始時間を調べてみると

  福岡ソフトバンクホークス 
      対 
  オリックス・バファローズ

  試合開始時間 13:00

「 ばぁば   行ける? 」
時計の針は9時少し前を指していた。

「 じぃじがOKならね・・。
    行けないことはないよ。」

HAYATOの瞳が輝いた。

主人は我儘な私の頼みは100%叶えてくれるのである。
 と言うか・・・
有無を言わせない夫婦関係が40数年の歳月で
培われているのであった。 


西九州自動車道が次々と開通し福岡が近くなった。
九州の西の端の田舎町から
1時間40分くらいで博多に到着できるのであった。

急いで食事を済ませ準備を整えた。
家族のいない家で一人で過ごすのが好きなみいは
上機嫌で見送った。
「 行ってらっしゃい 
      ゆっくり帰ってきてね~~~。」と。


曲がりくねった田舎の山道を
主人は巧みにハンドルを操った。
雨に当たりつやつやと輝く緑の木々を車窓見物しながら
当日券があることを願って
私は後部座席に身を沈めた。

駐車場をどうするか考えを巡らせた。
取りあえず 
福岡ドームの近くの駐車場を探し出していた。

案の定 福岡ドームの駐車場は満車で入れそうになかった。
福岡タワーの近くまで行きタクシーを利用した。


福岡ドームに12時30分 到着
当日券売り場の7番ゲート前の長い列に並んだ。

チケットが手に入らず
がっかりするHAYATOを見たくなかったので
気が気じゃなかった。
如何にか チケットを手に入れることが出来き
ホッと胸をなで下ろした。

球場の中は ほぼ満員状態で
熱気に包まれていた。


席を確認してから
HAYATOが買い物をしたかったので付き合った。

HAYATOは売店で
  福岡ソフトバンクホークスの帽子と
 
  ツインメガホンを買った。
 






  HAYATOは応援歌に合わせて
  ツインメガホンを叩きながら
  夢中で応援していた。 
  
     

    

 




      



         

  
  私や・・・  zzz
    主人は・・・・ zzz

   時々 意識がなかった。 

            
    


      結果は・・・ ?
      
   結果は
   まぁ  どうでもいいか。


   夢中で応援できたので。



 試合の興奮を抱き締めながら
 駐車場まで 
 ちょっぴり迷子になりかけながら
 とことこ歩いて帰った。


 HAYATOは満足して言った。
 「 ばぁば   又夏休みに行こうね。」

            

 思いがけず 楽しい時間を過ごした。

      


私の職場で過ごすHAYATOは
バイトの兄ちゃんたちと
釣りや野球やバトミントンなど
様々な遊びを楽しんでいる。
誰もいない時の遊び相手は私が努めるのである。

空き地で野球に付き合わせられる私は
ピッチャーの
姿勢や 投げ方 手の降り方を研究していた。


              


 私は2月に62歳の誕生日が過ぎた。

 私は仕事場でよく転ぶようになった。
 海に落ち込まないように・・
 船台で転ばないように・・
 注意に注意を重ねる日々が続きだした。

 雑用を熟しながらの事務が困難になり始め
 残業によって
 夜遅くまで事務処理を行う日々が増え始めた。

 私は 一人で熟してきた仕事を
 次の世代の人材に
 渡さなければならない年齢に
 達しているのである。

 事務や有り余るほどの雑用を
 誰にどのようにして譲っていくべきか
 大きな問題を抱えていた。

 
 時の流れは決して立ち止まることは無く
 私は 急激に
    一秒 一分 一時間
 歳を取り始めたのである。


 薫る風は夏を連れてやってきた。
 
 仕事は 益々 忙しくなるのである。