HAYATOの夏休み  埼玉西武球場で野球観戦

パールじゅんこ

2018年09月10日 23:05

   超零細企業のわが社の社長は
  農業に関係するある商品の開発に力を入れている。
  その商品の制作に退職をした主人が携わることになった。

  その商品の宣伝と品質検査を受けるために
  大阪梅田にある農業新聞の出版社と
  さいたま市にある国立の研究所である農研機構に
  出かけることになった。

   7月30日
   社長
   秘書役の私
   商品制作役の主人
   ムードメーカーのHAYATO
  4人は新商品を車に乗せ
  九州の西の端っこの小さな町を出発した。

  広島で一泊
  静岡で一泊
  埼玉で一泊
  神戸から大分までのフェリーで一泊
  ハードスケジュールである。

  8月1日  さいたま市で仕事を終わらせた後
  同行したHAYATOの為に
  西武線所沢駅 横の「所沢パークホテル」にチェックインをした。

  午後4時である。


   西武線所沢駅 徒歩2~3分の
   所沢パークホテル  


  7月30日
  九州から中国自動車道を通りひたすら東名高速を走り
  さいたま市まで行った。
  
  退屈な車中を和ませるため
  大人の勝手でHAYATAOを連れて行った。
  ご褒美に野球観戦が大好きなHAYATOの為に
  西部球場のチケットを準備した。

  タイミング良く
  仕事が終わった日に
  埼玉西武ライオンズ と 福岡ソフトバンクホークスの試合が
  行われることになっていた。

  HAYATOは長い道中を
  この時間のために私達に付き合ったのである。

  長旅で疲れている72歳の社長をホテルに残し
  私と主人はHAYATOを連れて
  自家用車を所沢パークホテルに置き
  ホテルから2~3分の西武所沢駅から
  電車で西武球場へと向かった。
  約10分で所沢駅から 西部球場駅に着いた。

  HAYATAOは瞳を輝かせて西部球場に入場した。

  私は帰りのことを考えて
  臨時便である全席指定の特急券の購入を怠らなかった。
  こういうことにおいて
  私はちゃっかりと抜かりがなかった。

  疲れ果てているにも関わらず
  平気でギューギュー詰めの電車で帰るほどの情熱は
  とっくに還暦を過ぎた私達夫婦にはなかった。
  
  西部球場駅に隣接した球場は
  熱気であふれていた。
   








  西部ライオンズの本拠地で
  地元の熱狂的なファンの勢いに押されながら
  私達は遠慮がちに 福岡ソフトバンクホークスを応援した。
 
  14対6と
  福岡ソフトバンクホークスの圧勝だった。



   

  興奮が冷めないまま
  8月2日の朝が訪れた。

  又 
  遠い道のりを延々と走って
  九州へと帰らなければならなかった。




  所沢パークホテルの窓から
  西部球場が見えていた。



   所沢の町に 暑い夏の朝がやってきた。



  小学生最後の夏休みが始まったばかりの出来事だった。
  仕事に追われながら
  私達はHAYATOを育てた。

  HAYATOの胸に
  キラキラとした思い出が積み重ねられていると
  信じて。