2019年01月30日 00:08
1月5日 午後
テリトリー・ワイルドライフ・パークから戻り
ストーク・ヒル埠頭にある
FRDS Darwin
( ロイヤル フライング ドクター サービス)
にやってきた。
駐車場にある
一枚の大きな壁画が目についた。
その翼には
大きな国旗 日の丸が描かれていた。
一目瞭然 その戦闘機が
日本の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)であることは
間違いなかった。
RFDS Darwinの駐車場の壁画を
私は複雑な気持ちで見上げた。
私は日本人である。
私達は事あるごとに日の丸を掲げ
日本人であることを誇りとしていた。
だが
私は今日本人である自分が大きな態度で
この場に立っていても良いんだろうか・・
という思いに駆られた。
私は
長崎の原爆ドームや
広島の原爆ドームを見学し
鹿児島知覧特攻平和会館や
福岡太刀洗平和祈念館を訪ねた。
沖縄ひめゆり平和祈念資料館にも
足を運んだことがあった。
戦争を知らない私だが
死んでいく沢山の若者たちに涙し
追い詰められた少女たちに心を痛め
美談のような様々な戦争映画を
夢中になってみて観てきた。
常に被害者側に立って
戦争を感じ取ってきた。
だが
今回は違った。
私は
この大きな壁画の
日の丸を強調した
零式艦上戦闘機(ゼロ戦)に
すっぽりと大きな幕をかけて隠したかった。
虫が良すぎるかもしれないが
「70数年前の事だから・・・
忘れて欲しい。」と考えてしまった。
ゼロ戦の下で恐怖に怯えているのは
私が心弾ませて遊びに来ている
ダーウィンに住む人々の
ご先祖さま達であるはずだと考えると
大きな顔ができない様に思ってしまった。
RFDS Darwin は
ロイヤル フライング ドクター サービスの歴史と
第二次世界大戦のダーウィン港の
爆破事件についての
資料館であった。
広大な敷地を持つオーストラリアでの
セスナ機を使った医療サービスの実態を
紹介した資料館である。
「ロイヤル フライング ドクター サービス」で
空を飛ぶ救急車として活躍している
セスナ機が展示されていた。
それに加えて
第二次世界大戦中(1942年2月)
日本軍機に襲撃されたダーウィンの様子が
映画化されたリ
ゼロ戦に襲撃されたときの様子が
展示されていた。
館内で上映された20分ほどの映画を観た。
1942年2月19日のダーウィン市への爆撃は
日本がオーストラリア本土に対して行った
最初にして最大規模の攻撃だった。
この日4隻の航空母艦
赤城 加賀 飛龍 蒼龍 は
オーストラリア北西の ティモール海の洋上から
計188機の日本海軍艦載機を発進させた。
零式艦上戦闘機(ゼロ戦)である。
このゼロ戦の襲撃により
ダーウィンで暮らす少なくとも250人ほどの
オーストラリア人の命を奪ったのであった。
当然 町は甚大な被害を受け
数百人の人々が住宅を失ったのであった。
大きな爆音を上げ
船を爆破し
港を襲撃する戦闘機
その羽根には大きな日の丸が描かれていた。
映画を観終わり
明るくなった館内を複雑な気持ちで出た。
私は日本人である。
日本人であることに誇りを持っている。
旅行中によく聞かれる言葉がある。
Are you Japanese?
英語が話せない私でも
この言葉は容易に理解できて
応えることができるのである・・・
Ⅰ am Japanese.
この時ばかりは
私は少し肩身が狭くなった。
罪悪感を伴ったとても複雑な気分で
FRFDS Darwin を出た。
ストーク・ヒル埠頭は
爽やかな潮風が吹き
どこまでも青い空が広がり
港にはゆったりと波が寄せていた。
FRDS Darwin
( ロイヤル フライング ドクター サービス)
の見学を終えてホテルへと戻った
はやとに付き合って
ナッキー通りをとことこと数分歩いて
釣具店へと行ってみた。
いよいよ
明日は楽しみにしていた海釣りの日である。
小さなルアーを買って
シールを貰って帰った。
再びホテルに戻ってから
満潮時を迎えると
海岸に沢山の魚がやってくるので
エサをやることができるので有名な
「 アクアシーン」へと行ってみた。
ホテルを出て
スミス通りをとことこ歩いて20分
ダーウィン ハーバーの満潮時は
数時間の間
大量の魚たちが岸辺に寄ってきて
人間に慣れているので
手からエサ(パン)をとって食べるらしいが
今日はあいにく
波が強く打ち寄せて来ていたので
上から投げてやることしかできなかった。
はやとは
飽きることなく いつまでも遊んだ。
満潮時間が過ぎると魚たちは
ティモール海へと流れに乗って
戻って行くらしい。
帰りは海岸沿いの公園
バイセンテニアル・パークを散歩しながら
ホテルへと帰った。
夕食は近くのベトナム料理のレストランに
入ってみた。
言葉の壁は厚すぎて
とっても とっても苦労したが・・・
春巻きや
シーフードの料理
炒飯などを頼むことができた。
全てが とても美味しかった。
長かったようだが・・・
アッという間に一日が終わった。
明日は 早起きして
釣りに出掛ける予定である。
ガイドの藤田眞弓さんが
朝食をお弁当にしてもらうように
ホテルのレストランに予約をしてくれている。
お弁当を楽しみに
早目にベットに入った。
RFDS Darwinで受けた
複雑なショックが頭から離れなかった。