2019年03月08日 23:30
暖かい春の雨が一晩中降り続いていた。
うっすらと夜が明け始め
パラパラと
庭の葉っぱに降り注ぐ雨の音が
目覚ましになった。
隣の布団から
すーすーとHAYATOの寝息が
心地よく響いていた。
掃除も洗濯も 買い物も
夕食の準備も 全ての家事は
主婦業のみいの役割となっている為
私は仕事にだけ没頭していればいいが
朝ご飯とお弁当の準備だけが
私の当番である。
6時20分
弁当や朝食のおかずとみそ汁を作り
主人に声をかけた後
HAYATOを起こす。
着替えたHAYATOは台所に立ち
お弁当箱におかずを詰める私の横で
みんなのご飯と味噌汁を入れる。
それは
HAYATOの我が家での役目であり
小学一年生の時から
欠かすことがなく6年間
続けられてきた。
私が病気であることを除けば・・・
平凡であると言える一日が 始まった。
優しい春雨にくすぐられて
一斉に庭先のさざんかが開花した。
玄関先のフクロウは
HAYATOを見送った後・・・
毎日30分の道のりを通院する私を
心配そうに見送った。
かつて沖縄で暮らした長女家族の所へと
頻繁に出かけたころがあった。
思い出にと買い求めたシーサーが
すっかり我が家の家族となっている。
さぁ 今日も良い日だぞ!
俺が見守っていてやるから
頑張って行って来い!!
と 見送ってくれるのである。
午前8時20分
私は コミック 「キングダム」 をもって
抗がん剤治療(放射線治療)に出掛ける。
緑に包まれた優しい季節を
私は生きている。