摂食障害の娘へ 催花雨

パールじゅんこ

2012年02月24日 06:37

少し早いが菜種梅雨を思わせるような雨が
三日降り続いた。

庭のさざんかは
急き立てられたように一斉に花開いた。


しとしとと降り続いた暖かい雨を眺めて三日が過ぎ
2月下旬を迎えるころとなった。


吹雪いた19日日曜日が
最後の寒波だったのかな?




積もることのなかった雪に
名残惜しく思えるのは
私が雪の怖さを知らないからだろう。



  長女から
  メールが入った。

   「 23日から三日間愛宕祭りが始まるよ。
     イベントはないが
     チビをお泊りさせようか?

     祭りに連れて行くよ。

     みいと話し合って調整してみて?」



愛宕山(259m)

相浦富士と呼ばれなだらかな稜線をもつこの山の麓に
長女は住まいを構えている。



年一回 開催されるお祭りは「愛宕祭り」と呼ばれ
沢山の人出で賑わいを見せる。
長崎県北の年配の方たちの
季節のあいさつ用語となっているこの祭りは
冬の終わりを告げる有名なお祭りである。

 「 いつまでも寒いなぁ。 早く愛宕祭りが終わらんば!。」

 「 愛宕祭りの頃 もう一度寒くなるなぁ・・」

 「 愛宕祭りがきたね。 これでもう寒くないよ。」

日常茶飯事に交わされる代表的な季語となっている愛宕祭り。

  凍結していた長女との関係も
  愛宕祭りまでかなぁ・・。

  永く
  つらかった次女の苦しさも
  愛宕祭りで終止符をうてるかなぁ・・。


しとしと
降り続ける窓の外を眺めながら
私は長女にメールを打った。

 「 あんたのお雛様 飾ってるよ。

   ママのお雛様をチビ達に見せてあげてね。

   ゆっくり出ておいでね。」

  
    

 ほのかに灯ったぼんぼりはゆっくりと回り
 過ぎ去った思い出と共に
 新たな明日へ思いをつなげていく。



 私は間もなく56歳を迎える。

   未熟なまま
   無知なまま
   無能なまま

 56歳を迎える。

   父が
   母が
   義父が
   義母が ・・・・

 生きているなら
 「 まだまだ お前も子供だなぁ・・・」と
 頭をさすってくれそうな気がする。