摂食障害の娘と共に 定命

パールじゅんこ

2012年04月14日 06:37




   みいは眠る。

意識のふか~~いところに降りて行って
誰にも
邪魔されない深い場所で眠っている。

私は
みいが
長くつらかった悲しみを洗い流し
自らの力で
よいしょと立ち上がり
眠りから覚めて笑いかけてくれるのを待っている。


「 おかあさん なん心配しよると?
  しんどかったけん 眠っとっただけよ 」と
笑い飛ばさるることは百も承知で。

「 さあ 結石もとれたし
  うち 退院したら一人で 沖縄に遊びに行ってくるけん」と
言い出すに違いない。


みいは入院の荷物の中に
瀬戸内寂聴の本を持っていた。

やさしいピンク色の表紙には
「 生きることば あなたへ 」と書かれている。

  定命 という言葉が私の心をとらえた。


私はみいが再びHAYATOを叱る日が
来ることを信じている。

みいの命のともしびがここで消えるとは
信じられない。

みいは
沢山の方々の祈りを頂いて眠っている。

私はみいがたくさんの方々の祈りを
無にする子でない事を祈っている。

私は玄関先を
いつもきれいに掃除をしていたみいに見習って
散った花弁を掃き集める。
きっと綺麗にしていると
厄病神も 貧乏神も近寄ってこないと
信じているから。

みいの好きな沖縄のシーサーは我が家を守り
フクロウ君は福を呼び込んでくれるはず!
 

  みい 起きて!!

 おばあちゃんも
 おばあちゃんによく似たみいのことを見守っているよ。
 

       なんだか
       一所懸命見上げている
       クリスマスローズの一輪は
       みいのように思えてきた。


       おばあちゃんだと思っていたのに
       健気に見上げているのは
       みいなのかな・・・と
       思え始めた。
      



    ゆっくりでいいよ。


    慌てることはない。


    気のすむまで眠ったら


    起きなさい。


    楽しいことがいっぱい待っているよ。


    みい。


    気のすむまで眠ったら 納得しておきなさい。

   
    あわてなくても いい。


    待ってるよ。


    HAYATOも 

       おとうさんも

         おかあさんも



    ERIねえちゃんも
       
       MIHOも 


        おばちゃんたちも


    岡田のジイも

          みんな   みんな



  大好きなムードメーカーのみいを待っている。