摂食障害の娘と共に 安堵

パールじゅんこ

2012年04月17日 08:46

4月14日(土)    

   深い眠りからすーと戻ってきた娘
   4日間の昏睡状態から抜け出そうとしている みい。

   

4月15日(日)   

   僅かな時間 意識が戻ってきては
   顔全体で微笑む みい。

   目を開けようとしない。
   声が出ない。

   呼びかけに
   のどの奥で「 んー。」と答えるが
   目を開けようとしない。

   しかし
   顔全体で微笑む みい。

   ほっとした反面
   心からほっとした反面
   何かの異常を抱えて目覚めたのでは・・・・と
   不安になる。

   夕方のHAYATOの呼び掛けには
   眠ったままで答えようとしない みい。


4月16日(月)

   午前8時
   玄関先でHAYATOと別れ
   それぞれの車に乗り込んだ。

   HAYATOはじいじと一緒に
    ● お昼寝用のお布団
    ● 通園バック
      ( 体操服 スモック トレーナー
        シューズ 歯磨きセット  )
    ● リュックサック
      ( お便り帳 タオル 箸箱 )
    ● 水筒

   沢山の荷物をもって車に乗り込んだ。



   私は仕事着のGパンを紙バックに入れ
   一人車に乗り込んだ。
   




 フクロウ君が安堵の胸をなでおろしたかのように
 私達を見送ってくれた。


私は30分後
佐世保 共済病院 6階のHCU(ハイ ケア ユニット 病棟)にいた。

娘は
私の呼び掛けに うっすら目を開けた。

  「 おはよう みい。
      起きたね。
   
    寝すぎだよ  みい。 」

  「 浦島太郎の世界だよ。 」


みいは 少し目を開けた
焦点の合わないみいの目は
私に一抹の不安を与えた。

すぐ目を閉じて
顔全体で微笑んだ。

そして
のどの奥で 「 んー! 」と答えた。

語りかけに
全て のどの奥で 「 んー! 」と答えた。

目を閉じたままで。


 「 なんか 言って!

      声を出してみて! 」


とみいに顔をつけて言う私に
突然
泣き顔になって
両手で私をたたき始めた。


目を閉じたまま
力のない両腕を上げ
顔を近づけている私を何回も叩いた。


 「    急がなくていいよ。

      ゆっくりでいいよ。


    ごめんね。みい。 」



みいの頭を撫でた。
 幼い時にしたように・・。
 幼子に接するように・・・。
私はみいをなだめた。


   解っているんだ。
   ただ
   力がなく 
       目を開けられない。
       しゃべることが出来ない。
   
   それを理解していない私に
   みいはくやしいんだ。


  私は待たなければいけない。

  みいのペースに合わせて!!

  全てをみいの歩調に合わせて
  進まなければいけない。

  強く自分に言い聞かせた。




いったん仕事場に戻った。
   沢山の事務処理が待っていた。


夕方 HAYATOと共に病院に出かけた。

HCUのドアを開けると
みいの顔が見えた。
はっきりと目を開けていた。

少しベットを起こし寝ているみいは
まっすぐHAYATOを見つめて微笑んだ。

顔いっぱいで笑顔をつくった。


穏やかな優しい笑顔をHAYATOに向けた。

一週間の空白が
二人の間にはなかったかのように私には見えた。


大きな声で
HCUのスタッフの方々に 「 こんにちは 」と挨拶をして
ママのそばに歩いて行ったHAYATOは

 「 ママ ゴーバスターズの長靴買って。 」と


開口一番 おねだりをした。




4月11日(水)

台風のような大雨で明けた朝
HAYATOは今までの「 アンパンマンの長靴は嫌だ 」と
駄々をこね
濡れるのも承知で靴のまま登園した。

その日の夕方
意識不明で昏睡状態に陥っているママの枕もとで
大きな声でHAYATOは呼びかけた。

  「 ママー 起きてー。
      おきて ママー 」

  「 ママー  ゴーバスターズのながぐつ かってー。」

大きな声で
何回も呼びかけた。


それから
今日までの時間は 二人にはなかったかのように感じられた。

4月16日(月)午後6時
みいは
満面の笑みを浮かべ
HAYATOを見つめた。

しかし
声は出ないままだった。

のどの奥から 「 んー。 」 と 何回も繰り返した。

12歳未満の子供の入室は禁止されているにもかかわらず
許可されるHAYATOを
私は数分で促した。
HAYATOは大きな声で
HCU全体に聞こえるくらい溌剌と
 「 さようなら 」 と挨拶して病棟から出た。



   私は   安堵した。


車の中から綺麗な夕焼雲が西の空を覆った。
私は
助手席のHAYATOにスマートホンを渡した。
HAYATOは手慣れた様子で
綺麗な空を撮影した。


IT社会で育っていくHAYATO。

私はIT社会と自然社会の中で
うまくバランスを保ちながら育っていき
更に
人の心の温かさを感じる子に
HAYATOを導きたい。


HAYATOの使命は
  母親を守り抜いていくことにあるように思う。

  私と主人はHAYATOを守り
  HAYATOに娘の生涯を託したい。


4月16日(月)  午後7時前 

 病棟のママに別れを告げ家路に向かう車内から
 HAYATOが撮影した西の空は
 平穏な一日をおわらせようとしている。


   とても平和に一日が過ぎようとしている。

   私は 安堵した。

   この綺麗な夕焼け空は 

   今の私の感情を助長させながら

   一日を締めくくろうとしている。



   とても   安堵した。
   

   HAYATOが撮影したこの夕焼けの日のことを
   私は
   きっと忘れないだろう。


   安堵した・・・。   とっても!