摂食障害の娘と共に 長女

パールじゅんこ

2012年05月10日 06:55


 
私は旅をしている。
定めという私の時空を漂っている。

流されていく運命の中で
ここで
長女が待っていてくれたなんて
思いもしなかった。

次女みいの治療に対して
意見の対立から
一時 仲違いしていた長女が

ここで私たちを待っていてくれたなんて
不思議な思いがする。

信仰心を持たない私は
それを神様の仕業としか思いようがない・・・。
この地球上で生きる者の運命のシナリオを神様が
担当しているとしか思いようがない。

だが
神にも勝る何者かが
この壮大な地球上の物語を練っているのだろうか。
それとも
イザナキとイザナミの結婚により生まれた
八百万の神(やおろずのかみ)の中に
私達日本人のシナリオ担当の神が存在するのだろうか。

私は
この偶然が
きちんと練られ構成された
物語の中の出来事のような気がしてならない。


  次女みいが高次脳機能障害と診断された時
  私は
  不思議な思いに駆られた。

  長女の婿
  精神病院において 作業療法士を務めている。 
  しかも
  高次脳機能障害は婿が最も
  仕事として興味を持ち学んでいる分野であった。


神さまは
なぜ
ここで次女にこんな運命を準備し
更に
この時点に副える様に
長女夫婦の物語が練り進められていたのか
不思議でたまらない。



巧みに構成されたシナリオに
いつも
私は驚かされる。

沢山の神々が寄り集まって
ミーテイングを繰り返し
シナリオを書いては訂正し
訂正しては進める様が頭に浮かんできそうである。

その輪の中に
個人を見つめ守ってくれる仏様が
特別招待され意見を述べている様が・・・
陳情書を差し出している様が・・・
思い浮かんでくる。





薫風のそよぐ一日に
HAYATOを誘い出し
北九十九島を望むつつじの名所に出かけた
長女家族が我が家に帰り着き
3人のチビッコ達が
引き続き
我が家の庭先で遊びだしたその様子を見守りながら
長女婿が穏やかな柔らかい口調で言った。

 「 僕は
   みいは大丈夫だと思いますよ。   
   必ず
   記憶は帰ってきますよ。
   大丈夫ですよ。

   だって
   どのデータにも異常という異常が現れていないから
   僕は
   みいの記憶は必ず戻ってくると思いますよ。」




 「 高次脳機能障害と言う病気は
   実に様々な
   本当に沢山の症状があり
   個人個人でまったく違った症状ですよ。

   そして
   沢山の方々が
   この病気を患っていますよ。

   非常に多くの人たちが・・・。

   でも
   僕はみいは大丈夫だと思いますよ。

   ゆっくり
   時間をかけて待ってあげれば
   必ず帰ってきますよ!
   みいの記憶は!   」


  
3人の幼い男の子たちは
庭先の赤く色づいたいちごの収穫に夢中になった。