摂食障害 克服への道のり
玄関のチャイムが鳴った。
HAYATOと先を争って玄関に向かった。
明るく玄関を開けたのは
20数年来の友人のAKEMIさんだった。
大阪出身の彼女はすこぶる明るい
さすがの私も脱帽するくらい行動力があり、頑張り屋さんである。
「 芋づる 炊いたんやけど 食べる ??
鳴門金時のつるが一杯栄えてるんよ。」
彼女は 手づくりの御惣菜を差し出した。
「 食べる! 食べる! 大好きよ。」
本当に私は 芋づるの煮しめが好物である。
私は素朴で あけっぴろげな彼女が大好きである。
お互い 仕事を持っているので
道端で出逢った時等の立ち話しかできないが
互いの家庭環境は知り尽くしている。
「 みいちゃん 見かけたので・・・。
元気になった? 話はできる? 」
みいは 夕食の準備から手を止めて玄関口にやってきた。
「 おばちゃんのことは ちゃんと覚えているよね・・。」
誰もが みいの記憶に対して恐る恐る問いかける。
ほぼ昔のことは思い起こすことが出来るようにみいは快復した。
「 わかるよ~~。 」
痩せた顔は目ばかり大きい。
頬はまだまだこけて、笑うと顔中しわだらけになる。
みいの明るさに触れ
AKEMIさんの目から涙が流れ 頬を伝った。
明るい彼女の心の中が私達にははっきりと見えて嬉しかった。
みいも HAYATOも 私も
彼女の涙に癒された。
HAYATOはやたらとAKEMIさんに話しかける。
幼稚園のお友達のばあばであるAKEMIさんに遠慮がない。
話しの流れで
HAYATOは
AKEMIさんから一緒に遊びに行く約束を交わした。
約束の日曜日は
あっという間にやってきた。
私達はAKEMIさんの運転する車で出かけた。
みいも元気で同行した。
HAYATOは幼稚園での仲良しのHINAちゃんと
仲良く並んで座り盛り上がった。
HINAちゃんのママと(AKEMIさん家の息子嫁)や
HINAちゃんのお姉ちゃん 妹 8人がワイワイと乗り込んだ。
「 HAYATO君カブト虫を取ってやるから 農園においで。」
目的地に到着するまでに
HINAちゃんのパパがHAYATOに粋なプレゼントを準備してくれた。
たくさんのクワガタに
チビッコ達は 大喜び。
おじちゃんにお礼をいって
目指すは
平戸 シービューランチの乗馬クラブへと。
HAYATOは
初めて経験する乗馬に 喜んだ。
お馬さん 9歳なんだって・・ 女の子だよ。
みいも のんびり てくてくとお馬さんに・・・
みいに たくさんの笑顔が戻ってきた。
たくさんの方々の 優しさに包まれて
みいは
摂食障害を克服するための道のりを歩み始めた。
この後 帰り道
AKEMIさんは バイキング会場へと車を回した。
みいは たくさんの料理に喜び
みんなと昼食を楽しんだ。
私たちは みいの笑顔に癒された。
日に焼けたAKEMIさんの
みいを見つめる目は綺麗な涙で潤んでいた。
私は 人の暖かさに心打たれた。
みいは 日増しに元気を取り戻している。
たくさんの方々の愛情に包まれて・・。