儚げな雲
葉っぱの散った後に
たくましい幹が現れた。
そのたくましさに
心魅かれた。
「 ほら なんか すごいよ 」
私は主人の横で つぶやいて
思わず シャターをおした。
「 どこが いいんだ・・・???」
主人が見上げて あきれた。
長女の息子 SOUTAのお遊戯会を観覧した後
隣接する小学校の校庭の
樹の上をゆっくりと雲が流れていく。
葉っぱの散り始めた樹の上を
儚げな 一塊の雲が
ゆっくりと流れていく。
私の心は
はるか遠い山形の地で
ひとり 摂食障害という病で苦しんでいる女性に馳せた。
心の病は
誰によって救われるんだろう。
摂食障害でひとり苦しんでいる彼女は
サイバーの世界で
私に訴えた。
そして 無力な私に
ひとつの言葉を残した。
「 じゅんこさんはわかっていないよ 」と
私は
他人の気持ちも
他人の思っている事も
理解できない。
4人兄姉の末っ子で甘やかされて育ってきた私は
きっと
他人を慈しむ感情に乏しいんだろう。
大きな 深い深い情にかけているのかもしれない。
しかし
貴女に心を寄せることはできるよ。
貴女が苦しんでいるだろうと
思いを寄せることはできるよ。
貴女の気持ちを解ってあげるには
私は無力すぎる。
でも
元気を取り戻して・・と祈ることはできる。
私は
貴女のカウンセラーには到底なれない。
でも
そっと 思いは寄せられるよ。
感じてみて・・・。
私は 祈っている。
遠い見知らぬ地で暮らす貴女の幸せを。
私が
たくさんの見知らぬ人たちの祈りに支えられたように
米沢で 一人で暮らす貴女が
元気を取り戻すことを
私は遠い地から祈っている。
賢くて素敵なはずの貴女が
元気を取り戻すのを私は祈ってあげるしかできない。
ゆっくりと流れていく儚げな雲は
貴女の住む街まで届くのだろうか。
私は空を見上げて山形の地で暮らす貴女を思う。
心を開いて
どうか
貴女の周りを見て。
きっと 貴女を救ってくれる人はいるよ。
たくさんいるよ。
貴女の周りに・・。
私は 貴女に手を差し伸べて揚げることはできない。
でも
気持ちは 寄り添えるから・・。
貴女の気持ちは分かってあげられないが
貴女を思う気持ちは
私の心にはあるから・・。
冷たい風が吹き始め
痩せた体には大きなダメージを受ける季節が到来するが
どうか
心を開いて。
立ち上がって
勇気をだして
貴女を囲んでくれる人たちに微笑みかけてみて・・
明日は晴れているよ。
雲は流れる。
厳しい冬がやってくる・・。
貴女の体にはきっと厳しすぎるだろうが
乗り越えてね・・。
一緒に乗り越えよう・・と言ってあげられないが・・・。
必ず 春はやってくるから。