中秋の名月

パールじゅんこ

2013年09月22日 22:54

  午後7時
  事務所の電気を消して外に出た。
  夕闇の押し寄せてきた暗い駐車場で車を発進させた。

  外套もない真っ暗な海沿いの町道を
  自宅に向かって車を走らせた。
  大きな曲がり角を超えると
  闇の中に街の明かりがとびこんできた。
  
  職場から4km離れた自宅の上の山から
  ぽっかりと
  大きなお月様が顔を出していた。

  大きなお月様に見とれながら車を進ませた。
  助手席においたスマホが鳴った。

  「 ばあば  今どこ? 」

  「 商店街を通っているからね
   後 4分ほどで帰る着くよ。 」

  「 まって!  きらんでね。
    お話しながら   帰ってきて! 」

  暗闇の中 私は違反しているのがきっと
  見えていないはず・・・!


 「 今 どこ? 」

     「 スパーの横の川よ。 」

 「 今 どこ? 」

     「 川沿いの道よ。」
 
 「 今 どこ? 」

     「 整骨院の横よ。 」

 「 今 どこ? 」

     「 さつきくんのお家の横よ。」

 「 今 どこ? 」

     「 キウイの横よ・・・。

       と~~~ちゃ~~~く。!」

愛犬レオンが庭から吠えた。

玄関のドアが開いてHAYATOが
飛び出してきた。
私の帰りにちょうど合うように
みいによって晩御飯が整えられていた。
主人がビールとコップを二つ持って座った。

  とても  ありがたかった。



私は
早朝出社し 8時までの間と
仕事が定時の5時に終わった後夕食時間まで
残業をして 一年分の伝票を入力している。
弥生会計7のデーターが一年分突如消えてしまった。
愚痴は言っておれない。
決算報告の期限は延びてはくれない!!

   せっせ  せっせと・・・ 入力。


くそ~~~~。
なんで今?  今消えるの?


う~~~~ん  自分が蒔いた種だ。

   まったく
       私って・・・・。

            バカとしか言いようがない。


   「転ばぬ先の杖」とは
   私に向けなくてはいけない言葉だ!

 
みいがおかずを運びながら言った。

「 お母さん 今日は中秋の名月だよ。 」

   あぁ  道理で!  
   あんなにお月様が綺麗だったんだ。



よし!   
  来年こそお団子とススキを庭にかざって
  お月見をしよう。

来年こそ
  ゆったりと 秋を迎えよう !

 

     9月17日 木曜日