「ホーチミン 4日目」  帰り支度

パールじゅんこ

2015年02月24日 06:19

2月11日(水)  

旧正月前のホーチミンは綺麗に彩られて
とても素敵な街だった。
なんだかとっても親しみやすい国のように
思われた。

ジャングル船をイメージした「インドシナ」や
可愛い魚の形をした船体の「ベゲー」など
数々のディナークルーズ船が
どっぷりと日が暮れたサイゴン川を
ゆったりと行き来していた。



帰らなければいけない時が 迫ってきた。
私は
2月8日(日)から4日間過ごした
ルネッサンスリバーサイドホテル サイゴンの部屋で
荷物を片付けた。

孫くんが 私の背中にもたれかかってきて言った。
「 ねえ ばあばぁ 
 どうしても今夜の飛行機にのらんばと?」 と。

私は
二つのキャリーバックに荷物を詰めながら言った。
「福岡行きの飛行機は 毎日飛んでいないからね。
 今夜 帰らないと 
 今度は 土曜日の夜中しか帰れないよ。」 と。


私の背中から離れた孫くんは
何回も つぶやいた。
  「 もう 帰るのかぁ・・・ 」と 
何回も 何回も・・・。

    

私は
孫くんの顔を見ることも無く
慌ただしく荷物の整理に追われた。

感傷的な感情は年齢に関係なく
湧き上って来るもんなんだ・・と
私は感慨深いものが込み上がってきた。

この旅行の為に
小学2年生の孫くんの長旅を気遣って
飛行機の中でシートに座った時に
孫くんの足が宙に浮かない為に
踏みつけてちょうど良い高さの
手荷物のバックをもってきていた。

そのバックに
来るときには夏服とジャンバーを入れた。
今度は
福岡についたときに出さないといけない
冬服やジャンバーを詰めた。

飛行機の中で体調を崩した時の為に
( 下痢や 発熱 頭痛 )
薬をバックに入れるのも忘れなかった。

荷物の整理に気を取られていた。

    
     
「 早かったね。 4日間・・ 」と孫くんが呟いた。

「 ほんとね 早かったね。 4日間。」
私は 荷物から目を離して
ベットでふざけている孫くんを見つめた。


みんなが楽しい思いで 4日間を過ごした。
み~~んなが 幸せな時間を過ごすことが出来た。

数年前に苦しく辛い時期を強いられただけに
楽しさが  特別あたたかく感じられた旅であった。



  私は 満たされながら
  とにかく荷造りに追われた。



 
  

帰り支度が整った娘が
ビデオをとりだして ふざけ始めた。

「 〇〇〇くんが ドリアンを食べます。
 さぁ 〇〇〇くんは
 ドリアンを食べることが出来るでしょうか!」

娘がビデオを回す前で
孫くんは
パックに入ったドリアンの 二重になったラップを
取り外したのだった。

   

部屋中 強烈な臭いが立ち込めた。
鼻をつままなければならないような
それは 強烈な臭いだった。

   

孫くんは
思いっきり腕を伸ばして
フォークでドリアンを少しとった。

   


その強烈な臭いに我慢が出来なくて
何回も 放り出しては 部屋の隅っこに逃げた。

帰り支度の整ったマイダーリンが
少し口に運んだ。
「 うん いける! 」
と 大きな塊を二口ほど食べた。

孫くんも 少しだけ口に運んだが
口を手で押さえ バスルームに走った。

娘の愉快なナレーションで
ホーチミンの旅のビデオが締めくくられた。

ふざけている孫くんを
夏服から 冬服に着替えさせて
すべて帰り支度を整えた。
そして
部屋を出るばかりになった私も
一口食べてみた。

強烈な臭いを無視すると
とろ~~~として
不思議な甘さがあって美味しかった。

    
   
少しだけ残ったドリアンを
臭いがしないように
二重 三重 四重にビニール袋に入れて
ごみ箱に捨て
歯磨きをしてから 即座に部屋を出た。





チェックアウトをしてから
ホテルの外で夜の街を見乍ら
すっかり仲良しになったガイドさんを待った。

孫くんにカメラを向けると
通りかかった外人さんがふざけて 
孫くんの肩を抱いて笑いながら
ポーズをとった。


 平和で楽しい旅が幕を閉じた。


空港までのチャーターカーの中で孫くんは眠ってしまった。

 
   ホーチミン時間  午後9時
   日本時間  午後11時


 タン ソン ニャット国際空港まで
 最後の車窓見学を楽しんだ。
  






  

  飛行機の出発は 
    ホーチミン時間 2月12日(木) 午前0時25分
  福岡到着は 
    日本時間 2月12日(木) 午前7時10分


     
             

かけがえのない思い出が又ひとつ積み重ねられた。
 神さまは 苦しさを乗り越えた私の家族に
     ご褒美をくれた。
    そんな風に 思えた。