無料バスツアーの落とし穴

パールじゅんこ

2015年06月05日 21:17

5月13日(水)

関屋蒲鉾店で遠慮なく たらふく試食の蒲鉾を食べ
主人のおつまみにちょっぴり蒲鉾を買い込み
柳川御花でのランチ「花かご御膳」に舌鼓をうち 
名物柳川せんべいを自分へのお土産に買い
ゆったりとバスのシートに身を委ね
車窓見物を楽しんでいた。

5月の爽やかな陽ざしを受けて
光り輝く様々な色合いの新緑はとても美しく
そのフレッシュな柔らかさは私の心を癒した。




自家用車と違い
観光バスの高い窓からの眺めに満足していた。
家の庭に咲き誇るきれいなバラの花が
やたらと目についた。

剪定をしたため小振りになってしまった我が家の
飛鳥乙女を思い浮かべ
主人とこっそり我が家の飛鳥乙女の悪口を言った。


    ( 我が家の 飛鳥乙女 )

蛍の飛び交う時季のバロメーターを務める
我が家のバラ「飛鳥乙女」は
お世辞にもきれいな薔薇とは言い難い。

満開のその姿は遠目にはきれいだが
一花一花が目を奪われるような華やかさには欠けるのである。


   
ぽつり ぽつりと
主人と他愛もない言葉を交わしながら
車窓見物を楽しんでいると
バスは鳥栖プレミアム・アウトレットの宝石店の前で停まった。

「こういう所はにがてだなぁ」と呟いた主人を
「話の種に 覗いていこうよ。」と促してバスを降りた。

Be-NAS(ビーナス)鳥栖支店
運営会社㈱ブリリアンス インターナショナルジャパン

ジュエリーアワード受賞作品の数々が展示されたフロアで
豪華な宝石を見てため息をついた後
販売員の遠赤外線効果の実演やクイズに耳を傾け
それから2階の宝石展示場へと足を運んだ。

沢山のセールスの女性が待ち構えていた。
鴨がねぎを背負ってやってきた・・・・という言葉が
脳裏に浮かんだ。

展示場のショーケースの中で輝く沢山の宝石に
目をみはり 心を奪われた。
真珠のピアスと
真珠のネックレスを着けている私から
年配のセールスレデイが離れなかった。

興味のない主人をフロアの椅子に残し
ショーケースを覗み込んでは
輝くダイヤや誕生石や真珠の輝きに
うっとりと酔いしれていた。


九十九島の真珠養殖に使う機械や
船舶の販売・修理店に努めている私は
仕事を頂いている近場の真珠養殖業者さんから
格安で真珠の装飾品を買うことが出来るので
財布のひもは固かった。


   

   2月に真珠のネックレスやピアスを
   奮発したばっかりだった。

    


それでも
洗練されているショーケースの中で輝く真珠は
見つめるだけで幸せな気分が胸に溢れた。

言葉巧みなセールスを振り切り 振り切り
主人のそばに戻ると
 なんと
主人は年配のベテランさんに捉まっていた。
目の前のテーブルには
数種類の遠赤磁気ネックレスと
数々のパンフレットが広げられていた。
「血流が良くなるので高血圧のご主人にお勧めです。」と
痛いところを突いてきた。

主人はすっかり購買意欲を掻き立てられていた。
贅沢もしないで働いてきた主人を目の前に
ついつい私も断ることが出来なかったのである。

無料バスツアーに参加して
とんでもなく高額な買い物をしてしまったのである。

     あ~~~~ぁ

  ただより怖いものはない・・・。

               

75分という時間を費やしたBe-NAS(ビーナス)鳥栖支店を後に
観光バスは高速道路を進み次の目的地へと向かった。

 

お土産や立ち寄り先からの手数料、キックバックで
成り立っているらしい無料バスツアー商法の罠に
まんまと引っかかったように思われたが
主人の買い物に
文句を言う筋合いはなかった。

バスに乗り込んで主人が一言。
「 そんなもの要らんよ・・ と言ってくれるかと思ったのに。」
なんて・・・?
断われずにいて 私の口から断らせたかったの・・・?

まぁ・・  いいか。

高血圧の主人が
遠赤磁気ネックレスを着けて体調が良いと思えたら
出費は大したことではない。

いろんな言葉が脳裏を駆け巡った。
  ● 金は天下の周りもの
  ● 病は気から
  ● 知らぬが仏
  ● 信じる者は救われる
  ● ただより怖いものはない
要するに まんまとひっかかった・・・かな?

私達夫婦の他にも 
商法にうまく乗せられた人がいたようであった。

バスは次の行程に向かって進んだ。
大分県日田市にある
すっぽんと蜂蜜の健康食品「夜明の里 カメミツ」へと。


    窓の外は
    心身ともに浄化してくれるような
    爽やかな風が吹き渡っていた。