
2018年10月12日
漫画「緋の稜線」
私は 息つく暇もないくらい仕事に追われていた。
台風がやってきて
週末の仕事にキャンセルが相次ぎ
思わぬ休暇を得ることができた日

二階の屋根裏にある倉庫を整理しようと思い立った。
娘達の子供の頃の本が所狭しと
本棚に並べられていた。
もう誰も見る者はいないはずと考え処分しようかと思いたった。
本棚の前に座り込んで
一冊の漫画本をペラペラとめくった。
「緋の稜線」 25巻まで揃っていた。
昭和の時代が舞台となった漫画であった。
戦前、戦中、そして戦後の成長期の日本で
力強く生きた主人公・各務瞳子(かがみとうこ)の
波乱万丈の人生が描かれていた。
終戦を迎えた主人公「瞳子」は
戦地から帰らない夫の家族を守り
16歳という若さで逞しく生きていくのである。
復員してきた夫と共に
目まぐるしく成長を続ける東京で
女性の社会進出が進んでいなかった時代に
菱屋百貨店の副社長としてその手腕を振るっていくのであった。
並行して
瞳子の姉妹家族の物語が展開されていった。
64年間というとても長い年月の中での描写は
登場人物たちのそれぞれの問題に立ち向かっていく姿勢と
時代の移り変わりが
脈々と描かれていて
物語の中へと引き込まれていった。
職場で決算処理を終わらせたばかりの私は
すっかり漫画本に魅了された。

2週間連続で週末にやってきた台風は去り
再び職場ではてんてこ舞いの毎日が続いた。
そんな中で
朝も出かける前の数分「緋の稜線」の世界に浸かり
仕事中も
早く帰って続きが見たかった。
全ての家事を引き受けてくれている
次女「みい」のおかげで
私は主婦業を放棄しているのであった。
おおきな顔をして。
夕食が並ぶまでの間も・・
HAYATOの寝息を聞きながら布団の中でも・・・
読み進めていった。
18巻まで読み終えたある日
HAYATOが言った。
「ばぁば ばぁばは友達いる?」
友達かぁ・・・・
友達・・・て?
「 ばあば 仕事ばっかりしてきたからね。
お出かけはお父さんとばかりだし
空いている時間はHAYATOとばかりいるし・・
あとの時間は
仕事場と家の往復ばかりだからねぇ 」
友達をつくる時間も
友達と出かける時間も取ることができない毎日を
送っているのであった。
「 どうして? 」
「 うん ばぁばの友達 かわいそうだよ。
ばぁば 臭いよ。」
とHAYATOは言った。
遠慮会釈なしに HAYATOは言いやがった!
「 汗臭いし
魚臭いし
今日は船外機にガソリン入れてきた?
ガソリン臭いよ。
そんな臭いばぁばを友達にしたら
友達かわいそうだよ。」
臭いのは確かだ。
いつもいつも汗だくで働いていた。
ゆっくりとおしゃれして
のんびりして
友達と出かけたり
楽しい時間を持ちたいが・・・


友達・・・・て?
こんなはずではなかった人生に
HAYATOは大きな ? を投げかけてきたのである。
でもねぇ・・・
友達と過ごす時間を持つよりも
家族で仲良く過ごす時間の方が
ばぁばには幸せなんだけど。
友達とおしゃべりするより
家族と一緒に居て
漫画の本を読んでる方が楽しいんだけど・・・
ばぁばは
可愛そうかなぁ・・・

「緋の稜線」の続きを読むほうが
友達と出かけるより楽しい・・ね
今夜は眠るとしよう。
明日の朝も暗いうちから仕事だ

台風がやってきて
週末の仕事にキャンセルが相次ぎ
思わぬ休暇を得ることができた日

二階の屋根裏にある倉庫を整理しようと思い立った。
娘達の子供の頃の本が所狭しと
本棚に並べられていた。
もう誰も見る者はいないはずと考え処分しようかと思いたった。
本棚の前に座り込んで
一冊の漫画本をペラペラとめくった。
「緋の稜線」 25巻まで揃っていた。
昭和の時代が舞台となった漫画であった。
戦前、戦中、そして戦後の成長期の日本で
力強く生きた主人公・各務瞳子(かがみとうこ)の
波乱万丈の人生が描かれていた。
終戦を迎えた主人公「瞳子」は
戦地から帰らない夫の家族を守り
16歳という若さで逞しく生きていくのである。
復員してきた夫と共に
目まぐるしく成長を続ける東京で
女性の社会進出が進んでいなかった時代に
菱屋百貨店の副社長としてその手腕を振るっていくのであった。
並行して
瞳子の姉妹家族の物語が展開されていった。
64年間というとても長い年月の中での描写は
登場人物たちのそれぞれの問題に立ち向かっていく姿勢と
時代の移り変わりが
脈々と描かれていて
物語の中へと引き込まれていった。
職場で決算処理を終わらせたばかりの私は
すっかり漫画本に魅了された。

2週間連続で週末にやってきた台風は去り
再び職場ではてんてこ舞いの毎日が続いた。
そんな中で
朝も出かける前の数分「緋の稜線」の世界に浸かり
仕事中も
早く帰って続きが見たかった。
全ての家事を引き受けてくれている
次女「みい」のおかげで
私は主婦業を放棄しているのであった。
おおきな顔をして。
夕食が並ぶまでの間も・・
HAYATOの寝息を聞きながら布団の中でも・・・
読み進めていった。
18巻まで読み終えたある日
HAYATOが言った。
「ばぁば ばぁばは友達いる?」
友達かぁ・・・・
友達・・・て?
「 ばあば 仕事ばっかりしてきたからね。
お出かけはお父さんとばかりだし
空いている時間はHAYATOとばかりいるし・・
あとの時間は
仕事場と家の往復ばかりだからねぇ 」
友達をつくる時間も
友達と出かける時間も取ることができない毎日を
送っているのであった。
「 どうして? 」
「 うん ばぁばの友達 かわいそうだよ。
ばぁば 臭いよ。」
とHAYATOは言った。
遠慮会釈なしに HAYATOは言いやがった!
「 汗臭いし
魚臭いし
今日は船外機にガソリン入れてきた?
ガソリン臭いよ。
そんな臭いばぁばを友達にしたら
友達かわいそうだよ。」
臭いのは確かだ。
いつもいつも汗だくで働いていた。
ゆっくりとおしゃれして
のんびりして
友達と出かけたり
楽しい時間を持ちたいが・・・


友達・・・・て?
こんなはずではなかった人生に
HAYATOは大きな ? を投げかけてきたのである。
でもねぇ・・・
友達と過ごす時間を持つよりも
家族で仲良く過ごす時間の方が
ばぁばには幸せなんだけど。
友達とおしゃべりするより
家族と一緒に居て
漫画の本を読んでる方が楽しいんだけど・・・
ばぁばは
可愛そうかなぁ・・・

「緋の稜線」の続きを読むほうが
友達と出かけるより楽しい・・ね
今夜は眠るとしよう。
明日の朝も暗いうちから仕事だ


Posted by パールじゅんこ at 23:51│Comments(0)