2023年12月18日
新たなる挑戦の兆し
ひと夏が
過ぎていこうとしていた8月の終わり

8月23日・24日
長崎県北の江迎町で
「千灯籠祭り」が
行われた。
小さな田舎町での
伝統ある大きな夏祭りである。
高校2年生になったはやとは
小学1年生から
江迎町伝統芸能「獅子舞太鼓」の
一員である。
こんなに長く太鼓を続けるとは
正直思っていなかったが
とにかく
やめることもなく
ぐんと身長が伸びたはやとは
今も
獅子舞太鼓の一員である。



太鼓の演奏とともに
西の空に陽が傾いていった。

灯籠タワーが点灯した中
演奏はフィナーレを迎えていた。
無病息災・五穀豊穣を願い
青い獅子と赤い獅子が舞って
獅子舞太鼓の演奏は終わった。



フィナーレを務めた
2頭の獅子が舞い
多くの観客を魅了して
演奏は幕を閉じた。
感動の拍手の中
青い獅子頭の中からでてきた
はやとは
ペアを組んだ幼馴染と共に
はにかみながら
頭を下げ挨拶をした。


青少年健全育成・地域活性化を願って
活動を続ける
東江迎獅子舞太鼓のチームの中で
高校2年生のはやとは
身長が誰よりも一番高くなった。
ちびっ子だった11年前のはやとを
思い出し
感慨深い気持ちが込み上げてきた。

小学一年生から
毎週月曜日
夜 7時30分から9時まで
武道館に送って行き
隅っこに座り
はやとの練習を見つめてきた
自分自身を
誰が労ってくれるわけでもないが
一人ひそかに
自分をほめてやった。
もちろん中学生になってからは
練習時間の間の付き合いはしなくなり
武道館の入り口で
車を降り武道館に入るはやとの
後姿を見届け
自宅に戻り
9時に再び迎えに行く
そんな 週一の日々に付き合ってきた。
いつの間にか
小さな男の子は
見上げるような青年になった。

私は
相変わらず
職場で日の出を迎え
仕事に専念していた。
はやとが太鼓の練習に行く時間には
残業を終わらせ急いで帰った。
武道館への送迎は
相変わらず私の役目であった。

晩ご飯を食べ終えた団らんの時間
はやとが
時々
「 おれ 一人で韓国に行ってこようかな」
とつぶやきだしたのは
夏が終わり
秋が過ぎていき
冬を迎えようとしていた頃である。


Posted by パールじゅんこ at 23:11│Comments(0)
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