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2011年11月05日

摂食障害の娘へ 屋上でのひととき

雨だね。
みぃちゃん。

午前2時30分
すっきりと目が覚める。

というか
隣に寝ている孫の蹴りをくらってしまった。ヒミツ

激しい雨音に何だか落ち着く。

このまま睡眠をむさぼるか・・
はたまた
思いっきり起きようか・・・・
一瞬迷ったが
ふとんから出ることにした。

ローンをくんで
新しく購入したパソコン Windows’7の言語バーが消えた。
変換不可能になったので、使用できなくなってしまった。
ずーと付き合ってくれていた Windows’XPを立ち上げる。

反応が非常に遅くイライラしながら
ホットミルクを手に
パソコンの前に座る。

私だけの時間が流れ始めた。

昨夜
入院中の娘 みぃとの電話が頭から離れない。

  「今日は胃カメラ飲んだヨ
   綺麗だった。
   胃潰瘍の後もまったくないヨ 」

  」「へ~~~
   あんたもよっぽど強いんだねえ。
   あんなに ストレス受けてきたネ 」

  「 ねぇ
   もう 1ヶ月過ぎたよ。
   食事のメニューが一回転してしまった。
 もう
   来週帰るよ。  退院する。
   こんなところにおれん!」

  「 ここは、私のおるとこじゃない。」

  「 医者から 今度 部屋を出たら
   9階の精神科病棟の鍵のかかる病室に入れるよ・・・て言われた。

   ここは、ストレスがかかる!!」

  「じゃあ どうするの?
   帰ったら3日で死ぬよ・・・。」

  「じゃあ行くよ!」  どこへ?

  「あのよぉ~~~。」  
  「あのよ~~~じゃなくって、あの世? ベー
  私はすかさず答えた。

またまた
あの娘にあって この母親あかんべー

腹水を抜いて又体重が減少した。
はっきり言おうとしないが
25kg~26kgくらいのはず。

身体はもちろん、もう肉がついていない。
顔も日増しにこけていく。
肉がなくなった顔は
まるでミイラの用な様である。


11月1日(火曜日)は
娘のためにとった休日である。
爽やかな秋晴れの空の下、
10階建ての病院の屋上庭園は暖かい優しい陽だまりだった。

昼食時
相変わらず、食事時を私に見られたくないため
娘は私を病室から追い出した。

さやさやと枝を広げた木の下に腰をおろし
「柴田トヨ」の処女詩集 「くいけないで」を開いた。


私は
こんなゆっくりと ゆったりと流れる時間を久々に持ったような気がした。


あたたかい晩秋の風は
ちらちらと私の上に木漏れ日を注ぎ
私は 99歳の詩人 柴田トヨの詩に没頭した。

  くじけないで 

  
    ねえ 不幸だなんて
    ため息つかないで

    陽射しやそよ風は
    えこひいきしない

    夢は
    平等に見られるのよ

    私 つらいことが
    あったけれど
    生きていて よかった

    あなたもくじけずに


94編の詩を読み終えた頃
娘は 後ろに手をくみ
ひょこひょことやってきた。


  「 うち すごい顔になったね・・。」

そう 嘆く娘に きっぱりと言えた。

  「 病院にいたら  おかしくないよ。
    皆 病んでいるから・・・ネ 」

娘はぽつんと言った。
  
  「 なんで こんな事になったんかなぁ・・
    あんなに皆に結婚反対されたのにナ・・」

言っても仕方がない !
過ぎた日は、時は二度と戻らない。

娘より
私が言いたい。

  なぜ あの時 断固として反対しなかったんだろう。

  「 あの男はやめときなさい
    あんたとは合わない・・・!」 と

2004年初夏  帰宅した娘は
100本のピンクのバラの花束にうずもれて
居間のドアを開けた。

潮風の吹く
芝生が張られた小高い丘の上で
トランクから出てきた100本のピンクのバラの花束・・。

素晴らしく演出されたプロポーズだった。


 

   みぃは バラの花束より野菊が似合う。
摂食障害の娘へ 屋上でのひととき 

  私は 戻りたい。

  娘がプロポーズを受ける前の時間に。

  大切に育ててきた私のみぃ。

  生きて・・・!




Posted by パールじゅんこ at 04:59│Comments(0)
 
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