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2012年01月03日

摂食障害の娘へ 新年

暖かい日差しが降り注ぐ墓地で
 主人と
 私と
 娘 みいと
5歳6か月の孫は
舅、姑の眠る墓の前で手を合わせた。


樫の木立に囲まれた墓地は
当然 夏は涼しいが冬は寒い。

どんぐりのいっぱい落ちた小さな階段を
私はみいの手を握って墓地まで上った。

私は娘の痩せ細った手を握り腕をからませた。
その指先は細く
その手ごたえは儚げで
まるで 風船を支えているかのように感じられた。

 すらりとした八頭身で
 足が長く
 餅のようにすべすべとした白い肌を持ち
 面長で控えめな顔をしていて
 泣き言を言わない強い意志を持っている娘は
 姑に一番似ている。

 色黒で
 お尻ばっかり大きく、足が短くて
 お世辞にもスタイルが良いなんて言えなくて
 泣き言ばかり言う我儘な私に
 娘 みいはまったく似ていない。


高く太陽が昇っている
午後から出かけた墓参りでは
墓の周りにだけさんさんと日がさし
私達5人の背中にだけ暖かさが降り注がれる。



冬の日の陽だまりは
何ものにも引けを取らない暖かさ、優しさを秘めている。
イソップ物語の「北風と太陽」の原作者も
きっと
冬の太陽の持つ
遠慮がちではかなげな優しさに心打たれた事だろう。

背中に降り注がれた陽射しを受けながら
私は
舅、姑に祈った。

  「 お義父さん お義母さん
    どうか
    みいを見守ってください。

    みいを助けてください。 」  と。


私は今 誰もがもつ当たり前の愛情を秘めている。
  親元から巣立った我が子の幸せと
  我が子の家族の平穏な幸せを望む親心を
  心 いっぱい充満させている。


私自身が 毎日を育児に追われ生きていた若い頃
舅、姑の深い愛情など
心にも止めたことが無かった。

舅を看送った後
宗教団体に没頭した姑を
主人をはじめ 主人の4人の兄弟姉妹は
批判し続けた。

4人の子供を育てあげ
亭主に先立たれ一人ぼっちになった姑は
  子供たちの幸せを願うため・・・
  先祖の供養のため・・・
宗教に没頭していった。

子供たちから非難され続けても
宗教団体から脱会しようとしなかった姑は
「あんたたちの幸せを願って!」が口癖だった。



  私は姑の生前に思いを馳せてあげることが出来なかった
  親の深い愛情が
  今なら理解できるように思う。
  今なら姑に心を馳せることが出来るように思う。
  舅に先立たれ
  子供たちに批判され
  どんなにかさみしい日々を過ごして来たことだろうかと
  今になって
  姑の寂しさを我が事として受け入れられる。

  21歳で嫁いできた小娘に
  嫌味ひとつ言わず接して来てくれた優しかった姑に
  心を合わせることが出来なかった私は
  今になってバチが当たってるんだ・・・。
  そう 思わずにはいられない。


私は祈った。
ムシがいいかもしれないが優しかった姑に祈った。

「 お義母さん  みいを助けて・・・。」 と



再び たくさんのどんぐりを踏んで
階段を下りた。
石碑業を営んできた舅 姑が建てた墓を後にした。


  みいの心に 穏やかな今日の日差しのように
  押し付けがましくない
  ふんわりとした優しさを降り注ぎなさいと
  優しかった姑に言われたような気がした。
  


  優しい時間を・・・
  心穏やかに過ごせる時間を・・・・
  みいに与えてやることが私の務めなんだと
  姑は私に諭してくれたような気がした。





  ゆっくりと お正月が過ぎていく。
     主人と
       みいと
         チビと
           私を
  明日という未来にに運びながら・・・。






Posted by パールじゅんこ at 07:43│Comments(0)
 
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苦しいことも乗り越えたはず。
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100%信じている私こと じゅんこです。


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