
2012年02月15日
摂食障害の娘へ 笑顔の裏
音のない世界・・・てあるんだろうか?
心地良い寝息が私を癒す。
一定のリズムで無心に眠る孫くん。
聞きなれた軽いいびきは私に安心感を与えてくれる。
何年 何時間
この主人と共に夜を迎えてきただろうか。
チクタク
ひときわ大きく聞こえる目覚まし時計
なんだか
急き立てられるように時が運ばれる。
ん・・?
雨・・?
心は耳を道ずれに
暗黒の窓の外へと・・。
生垣の槇の木のうえに・・
敷き詰められた玉砂利のうえに・・
いつまでも艶を失わない南天の実のうえに・・
降り注がれる雨粒は
心を道ずれに窺わないときずかないような静けさで
樹木の上に降り注ぎ
黒い大地へと吸い込まれていく。
午前3時
目覚めがやってきた。
すっきりと。
暗闇の中で音の世界を楽しむ。
音のない世界
なんて ありえない。
いろんな音に囲まれて
いろんな音に支配されて
いろんな思いが押し寄せてきた。
いろんな思い出がよみがえってきた。
琉球エアーコミューターDASH-8型機で
子供のころから
憧れ続けていた南大東島に降りたったのは
2010年の2月初旬の事だった。
沖縄の桜の誘惑を振り切って
新都心のホテルで一泊したあと
私は主人と共に
台風情報で必ず名前が出てくる南大東島へと
旅を楽しんだ。
一泊二日の南大東島の旅は
かつて 味わったことのないような素朴さで
今までの
どんな旅行先よりも
私と主人の心をとらえた。
その中でも
地底湖探検ツアーでの体験は
今でも心から離れない。
初めて味わった光のない世界。
どんなに目を凝らしても
どんなに暗闇に目が慣れても
何も見えない世界がそこには存在していた。
地底湖の奥深くで
視力というものが必要のない世界には
音の世界が広がっていた。
地底湖の中に一滴一滴落ちるしずくは
何万年 何億年と
変わることなく一定のリズムを刻んでいた。
光のない世界で知った
音の世界は
今でも私の心をとらえて離すことはない。
ほのかな孫のぬくもりと寝息
聞きなれた主人の軽いいびき
窓の外の雨の音
全ては目覚めたばかりの私の心を癒し
記憶の中で
旅することを誘った。
ふと2階に眠る娘に気持ちが傾いた。
昨日も変わることのない一日が過ぎていった。
「 暖かくゆっくりしときなさいね 」
といつもの声をかけ出勤する私や 主人 孫を
玄関先で見送る娘は
笑顔で答えた。
「 今日はスーパーの99円市だから行ってくるね 」
重い荷物が抱えられなくなっている娘は
自宅から1kmちょっと離れたスーパーに
自家用車でしか
出かけなくなっている。
私は
家事全般を放棄している。
朝食の準備と
お弁当を作ることだけが私の役割である。
食事が終わり
ストーブの前に座る娘は
膝、腰の屈伸を使って
自力で立ち上げることが困難になっていた。
「 起こしてあげようか? 」と声をかけたが
「 こうやったら大丈夫 」と
ひざを突き
片手は近くのイス テーブルに摑まり
片手は床を押して
少し時間をかけて
痛そうに立ち上がった。
「 体力が衰えてきてるよ・・。 」
力なく小さな声で答えて
ゆっくりと
床をこするように歩き
お風呂へと部屋を移動した。
家族を笑顔で迎え
夕食をとり
片付けながら
終始微笑んでいたはかなげな笑顔は消えていた。
中学生のころから使用している2階のベットで
娘はペッチャンコになって寝ている。
夜中苦しくて熟睡できないと告げる。
横になると 咳が出てきて苦しいと。
家族がいない昼間は
ほとんどを睡眠に費やしているという。
家族の前で
一途に笑顔を見せる娘の姿は
年老いた義母に瓜二つである。
ゆっくりと歩く後姿も
晩年の義母そっくりである。
私は祈る。
仏壇の前で
私は祈る。
厳しかった舅に
優しかった姑に
心から祈る。
ムシがいいのを承知で
私は舅と姑に 手を合わせて祈る。
「 お義父さん お義母さん
みいを助けてください。 」
心地良い寝息が私を癒す。
一定のリズムで無心に眠る孫くん。
聞きなれた軽いいびきは私に安心感を与えてくれる。
何年 何時間
この主人と共に夜を迎えてきただろうか。
チクタク
ひときわ大きく聞こえる目覚まし時計
なんだか
急き立てられるように時が運ばれる。
ん・・?
雨・・?
心は耳を道ずれに
暗黒の窓の外へと・・。
生垣の槇の木のうえに・・
敷き詰められた玉砂利のうえに・・
いつまでも艶を失わない南天の実のうえに・・
降り注がれる雨粒は
心を道ずれに窺わないときずかないような静けさで
樹木の上に降り注ぎ
黒い大地へと吸い込まれていく。
午前3時
目覚めがやってきた。
すっきりと。
暗闇の中で音の世界を楽しむ。
音のない世界
なんて ありえない。
いろんな音に囲まれて
いろんな音に支配されて
いろんな思いが押し寄せてきた。
いろんな思い出がよみがえってきた。
琉球エアーコミューターDASH-8型機で
子供のころから
憧れ続けていた南大東島に降りたったのは
2010年の2月初旬の事だった。
沖縄の桜の誘惑を振り切って
新都心のホテルで一泊したあと
私は主人と共に
台風情報で必ず名前が出てくる南大東島へと
旅を楽しんだ。
一泊二日の南大東島の旅は
かつて 味わったことのないような素朴さで
今までの
どんな旅行先よりも
私と主人の心をとらえた。
その中でも
地底湖探検ツアーでの体験は
今でも心から離れない。
初めて味わった光のない世界。
どんなに目を凝らしても
どんなに暗闇に目が慣れても
何も見えない世界がそこには存在していた。
地底湖の奥深くで
視力というものが必要のない世界には
音の世界が広がっていた。
地底湖の中に一滴一滴落ちるしずくは
何万年 何億年と
変わることなく一定のリズムを刻んでいた。
光のない世界で知った
音の世界は
今でも私の心をとらえて離すことはない。
ほのかな孫のぬくもりと寝息
聞きなれた主人の軽いいびき
窓の外の雨の音
全ては目覚めたばかりの私の心を癒し
記憶の中で
旅することを誘った。
ふと2階に眠る娘に気持ちが傾いた。
昨日も変わることのない一日が過ぎていった。
「 暖かくゆっくりしときなさいね 」
といつもの声をかけ出勤する私や 主人 孫を
玄関先で見送る娘は
笑顔で答えた。
「 今日はスーパーの99円市だから行ってくるね 」
重い荷物が抱えられなくなっている娘は
自宅から1kmちょっと離れたスーパーに
自家用車でしか
出かけなくなっている。
私は
家事全般を放棄している。
朝食の準備と
お弁当を作ることだけが私の役割である。
食事が終わり
ストーブの前に座る娘は
膝、腰の屈伸を使って
自力で立ち上げることが困難になっていた。
「 起こしてあげようか? 」と声をかけたが
「 こうやったら大丈夫 」と
ひざを突き
片手は近くのイス テーブルに摑まり
片手は床を押して
少し時間をかけて
痛そうに立ち上がった。
「 体力が衰えてきてるよ・・。 」
力なく小さな声で答えて
ゆっくりと
床をこするように歩き
お風呂へと部屋を移動した。
家族を笑顔で迎え
夕食をとり
片付けながら
終始微笑んでいたはかなげな笑顔は消えていた。
中学生のころから使用している2階のベットで
娘はペッチャンコになって寝ている。
夜中苦しくて熟睡できないと告げる。
横になると 咳が出てきて苦しいと。
家族がいない昼間は
ほとんどを睡眠に費やしているという。
家族の前で
一途に笑顔を見せる娘の姿は
年老いた義母に瓜二つである。
ゆっくりと歩く後姿も
晩年の義母そっくりである。
私は祈る。
仏壇の前で
私は祈る。
厳しかった舅に
優しかった姑に
心から祈る。
ムシがいいのを承知で
私は舅と姑に 手を合わせて祈る。
「 お義父さん お義母さん
みいを助けてください。 」
Posted by パールじゅんこ at 06:22│Comments(0)