てぃーだブログ › 浮雲 › 摂食障害の娘へ 粋な計らい

2012年02月27日

摂食障害の娘へ 粋な計らい

お母さんの誕生日には食事に行こうよ・・・と
言っていたみいは
2月25日の朝

  「 体の中が ざわざわする。 」
  「 貧血なんかなぁ・・? 」


訴えた。

私達は外食を断念した。
みいの準備した晩御飯の前に
午後7時ちょうどに座った。

そこには
いつも一人で賑わしている孫の姿がなかった。

我が家から15~20分の場所に住む
長女の誘いで
お泊りに出かけている。

沖縄で
新婚生活を謳歌し
二人っきりの居心地のいい生活を送っていた長女たちは
子供に恵まれるという生活に
踏み込めないでいた。
次女みいにチビが誕生し、 
 そのチビに触れ
 チビに語りかけ
 チビを抱き上げ
 チビをあやし
夫婦二人で子供の可愛さに魅了された。

その後
間もなく長女は妊娠した。

長女も
長女の婿も
ことさらみいの子供を可愛がってきた。
みいの子供も非常に二人になついている。
何の問題もなく
長女の家にお泊りが出来る。


長女が今夜
みいの子供を泊まらせることを提案してきたわけ
私には
不思議と心にストンと入り込んできた。
この長女の思い付きが
私への「56歳の誕生プレゼント」であることを
私が理解するのに
私と長女には言葉を交わす必要はなかった。


夕食前
私は主人とそろって帰宅した。
LDKプラスプレイルームがワンルームとなっている部屋の
ドアを開けると
美味しそうな匂いが部屋中漂っていた。
座卓の上には
ナイフとフォークが揃えられていた。

「 お母さん 
  食事に行けなかったので
  今夜はステーキにしたよ。」

娘は青白い顔で
大きな声が出なくなった今
一生懸命のどの奥からしぼるように声を出している。
キッチンでてきぱきと食事が準備されている。

  微笑みかける顔には
  沢山の小じわが現れる。

  私は不憫で
  長くは娘を直視できないでいる。

「 ワインはなかったよlな 」と言いながら
間もなく並べられたステーキの前に
焼酎を持った主人が座った。

「 ん!  うまい! 」
開口一番 主人の言葉に
うつむいて座ったみいの顔が和んだ。

  動くのがやっとのみい。
  なのに
  動かずにおれないみい。

  買い物もままならないみい。
  なのに
  買い物にも行かずにおれないみい。

「 本当は お寿司も揃えたかったんだけど・・ 」

小さな声で答えた。

みいのお皿には
5cm四方のステーキが乗せられていた。

ほんの少し食べた後
主人のさらに移していた。

私は口を閉ざした。
極度の拒食症を克服された岡野朱里子さまの
お母様の言葉が
私の胆に銘じてくれている。
「チューイング(噛んでから出す)でもいいですよ。
 極少量の栄養が身体に流れ込んでいるので。」



良かった
ひとかけら食べてくれた・・・と心底思えた。
心底 少量しか食べないことに不足を感じなかった。
心底 少量でも食べてくれたと思えた。

岡野朱里子さまのお母様の言葉は
生きた言葉として
司令塔のように
私の脳に、心に、インプットされた。

その翌日
私は久しぶりに
主人と二人っきりの日曜日を謳歌した。
長女の与えてくれた
「 夫婦二人っきりの時間 」を
満喫した。



空模様を気にしながらも
数か月ぶりに
マイボートでの釣りを楽しんだ

 摂食障害の娘へ 粋な計らい

 
 
      摂食障害の娘へ 粋な計らい

  

 摂食障害の娘へ 粋な計らい 摂食障害の娘へ 粋な計らい 摂食障害の娘へ 粋な計らい


 摂食障害の娘へ 粋な計らい
 
   サオの先だけを見つめて3時間。
   無の心の 一日は
   私の心を 浄化させてくれた。

   長女との和解に
   言葉はいらなかったように感じられる。
摂食障害の娘へ 粋な計らい 
 
   
  私はきっと
  幸せなんだと思う。

  健康に恵まれ
  諸問題を抱えながらも
  私を
  母親である私を思ってくれる娘に恵まれた。
  共に人生を歩む主人がいる。

  56歳を迎えた私は
  更に険しい人生の山、谷を
  乗り越えていかなければならない。

  でも
  私は一人ではない。
  応援してくれる多くの方に囲まれている。

  亡き両親から授かった「健康な体」に感謝しながら
  さまざまな出会いの中で
  私にかけていただくエールに感謝しながら
  又 この一年を生き抜いていこう。


  きっと
  私は幸せなんだ。


  きっと
  たくさんの幸せが訪れるはず。

  愛宕祭りが終わった。
  これで 春が訪れる。
  

  私は56歳になった。
 



Posted by パールじゅんこ at 06:37│Comments(2)
この記事へのコメント
時々寄せてもらっています。
自分は子供を育てたことがないので
子供を想う親の気持ちが実感的にわかりません。
でも、その分、子どもの側から親の心を推し量ろうと思って生きてきました。
何度かコメントをさせていただこうと思いましたが
どんな言葉も励ましにはならないような気がして躊躇していました。
母子が一生懸命生きている姿を遠くから応援しています。
Posted by 根岸冬生 at 2012年02月27日 10:22
根岸さま
 ありがとうございます。
 私は
 娘の発病の前で羅針盤を失った小舟のように
 方向を見失ってしまいました。
 どうしていいかわからない。
 どう切り抜けていったらいいのかわからない。
 娘はきっと立ち直ってくれるはず。
 いいえ
 このまま私は娘の葬式を出す羽目になってしまうのかもしれない。
 その時 私はきっとくるってしまうだろう。

 たくさんの恐怖の中で
 私はひとつの道を選びました。

 今の苦しみを
 今日の苦しみを
 全て書き出して一日を終わらせてみようと。
 ブログは私に昨日にピリオドを打ってくれました。
 
 又 新しい時間をスタートさせてくれました。
 きっと娘と笑いながら
 ブログを読み返せる日が来ると信じています。

 「 お母さん  馬鹿ねぇ 私 死ぬはずないじゃん。」
 と、娘から笑われる日が来ることを信じて
 ブログという世界の中で
 思いを整理しながら進んでみようと思っています。

 本当にうれしいコメントです。
 
Posted by パールじゅんこパールじゅんこ at 2012年02月28日 05:03
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 15人
プロフィール
パールじゅんこ
パールじゅんこ
えっちら おっちらと進む人生。
苦しいことも乗り越えたはず。
悲しいことも通り過ぎたはず。
やってくる明日は
絶対幸せで楽しいはずと
100%信じている私こと じゅんこです。


オーナーへメッセージ