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2012年03月07日

摂食障害の娘へ フィナーレ

冬の終わりを告げる風が吹いた。

梢の鶯の声に新鮮な響きを感じてから
もう
どれくらいたっただろうか。

庭の椿は
間もなく自分の出番が終わることを知っているかのように
全てのつぼみを膨らませた。

摂食障害の娘へ フィナーレ


    冬が 終わった。


    冬は もう終わりを告げた。


    冬は 終わった!



  みいの口に
  病院の食事が入っていく。


徳田先生の予想していた診断計画が
先生の頭の中で書き換えられていくのが
先生の柔らかい表情の中から伝わってくる。

月曜日 3月5日
私は午前中の診察をすべて終わらせた先生の前に座った。

「娘さんの場合は
  たくさんの専門医がそろっている
  総合病院の方をおすすめしたいんですが・・・。」

開口一番 先生はおっしゃった。

「徳田先生以外に 娘は心を開きません。」

私は間を入れることもなく
素直に本心を告げた。

  この言葉だけは
  心の中に押し込めた。
    「 万が一 死んでしまっても・・・
      真剣に娘の容態に取り組んでくださった
      徳田先生の元で死んでいくなら
      私は あきらめがつきます。」
  


  いろんな病院から
  たくさんの医師から
  相手にしてもらえなかった娘を

  「 放っておくわけにはいかない !」
  「 どうにかして連れてきなさい。
    このままでは 夏を越せない・・・!」
  と
  初めてお会いした徳田先生から
  熱心に電話を頂いた昨年の初夏が近づいてきた。


主人の言葉がくるくると頭の中を回っていた。
「 いつまで 生きさせてやれるかなぁ 」 ・・・・
だが・・



   あたたかい風が吹き始めた!
   
   風向きが変わった!

   娘の人生の谷は終わった!

   娘は折り返し地点に入った!



   自然に
   美味しそうに
   白く長い 折れそうな指先で
     ご飯が
     おかずが
   娘の口に運ばれていく。

   ベットの上で・・・

   私の目の前で・・・。


   春がはじけた! 


摂食障害の娘へ フィナーレ



Posted by パールじゅんこ at 06:56│Comments(0)
 
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苦しいことも乗り越えたはず。
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