浮雲

ＨＡＹＡＴＯが蹴る　

　ふとんを蹴る　

　　　　ＨＡＹＡＴＯが蹴る　

　　　　　　　私を蹴る　

　　　　　　　　ＨＡＹＡＴＯが蹴る　
　
　　　　　　　　　　　　　　主人を蹴る　



　今週末には退院の運びとなりそうなみいに安堵して
　ぐっすり
　気持ちよく眠っているのに！


　ＨＡＹＡＴが蹴る！　　蹴る！　　蹴る！

　
　　　　　　　　　　　　　


　午前３時３０分


新聞配達のバイクが一瞬我が家の前で止まり
坂道を登っていく。
ＨＡＹＡＴＯが蹴った布団をかけなおしながら
いろんな思いで頭の中が充満して
整理がつかなくなった。
新聞配達のバイクが坂を下って行った。

　午前３時４０分

思い切ってベットからでた。




　長女もきっと二人の息子の寝相を直しながら
　眠っているだろうな・・

　長女家族が大好きだった沖縄に別れを告げ
　長崎に帰ってきてから間もなく１年が過ぎようとしている。

　きっと
　沖縄で育ってきたチビッコ達には
　長崎の冬は寒く厳しかっただろうと思う。

　私の膝元に住居を構えたのに
　私はみいの事しか眼中になく
　きっと腹立たしい思いをしたことだろう。　


長女として生まれながらにして私を支えた彼女は
どんな思いで私を見つめているんだろうか？

ひとりの大人として
ひとりの女性として
私という母親をどのように分析しているんだろうか？


　もし　長女が
　私の個性を嫌いだとしても
　私の生き方を否定しているとしても
　親子であることは逃げようがない。


ひとつだけ私は長女であるあなたに提案したい・・。

私とあなたには
過去に沢山の共通の思い出がある。

私とあなたの過去の記憶の引き出しを開けたとき
沢山の小さな引き出しは
あなたは私と共に
　同じ時を過ごし
　同じものを見つめてきた思い出が沢山詰まっているはず。

ただ違うとしたなら
その記憶の中の
　私の中心はあなたであり
　あなたの中心は私でなかったかもしれない。


これから先も
　私があなたの思いの中心を射抜くことは無理かもしれない。
　きっと
　的外れで
　しかも　私はそのことに気が付いていないのかもしれない。


でも
　自分勝手かもしれないが
あなたと共に
　私と共有出来るたくさんの思い出を作り続けたい。


私はきっと
あなたから見ると
腹が立つほど　あなたの事を理解していないはず。

私はきっと
あなたから見ると
あなたが望むことのすべてをはき違えているはず。


　　でも
　　　私はあなたを愛している。

　　　あなたが何と言おうとも！

　　　あなたのすべてを愛している。
　　　あなたを
　　　　　あなたの子供たちを
　　　　　　　あなたのパートナーを
　　
　　　あなたを取り巻くすべてを愛している！