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2012年05月12日

摂食障害の娘と共に 試験外泊

5月12日(土) 午前5時30分


すっかり明けた朝は
東の山から
太陽が昇るのを待つばかりとなっている。

HAYATOのこいのぼりの上に
夜から置いてけぼりにされた下弦の月が
朝の凛とした空気の中で
慌てることなくゆっくりと西の空に動いている。

   摂食障害の娘と共に 試験外泊    

    耕された田んぼからは
   ケロケロとカエルの合唱が続き
   緑増す谷あいの梢の上では
   名も知らぬ小鳥たちのさえずりが続く。

        
  新しい一日が始まろうとしている。


昨日 5月11日(金)
  
   むせるような緑に囲まれた我が家に
   娘は帰ってきた。

   ところどころ記憶を失ったまま・・・。
摂食障害の娘と共に 試験外泊


  「 緑が 綺麗ね  お母さん
    
         もこもこしてるね。

   こんなに 今の季節 綺麗だったかなぁ 」


手術以来  1か月経ち
一カ月ぶりに
娘の口から 「 おかあさん 」と呼びかけられたことに
新鮮な喜びが込み上げてくる


摂食障害の娘と共に 試験外泊


娘を迎え
子供の頃からの娘の部屋を開け
ベランダに 娘のベットの布団を干した。

ベランダからの東の風景はのどかで
野山は 生気がみなぎっていた。


摂食障害の娘と共に 試験外泊


  私は  絵を描くことが得意じゃない。

     山は緑に
     海は青に
     空も青に
     川は水色に   しか 描けない。

こんなに たくさんの緑を 
数本の絵の具から作り出して
絵を描くことが出来る人がうらやましい。

  こんなにたくさんの緑が日々変化しながら
  一日が
  巡っていく。


私達家族を乗せて 地球号は時空の中を旅していく。

娘は帰ってきた。
一泊二日の試験外泊は様々な不安と期待を
私にもたらしてくれた。

精神科 作業療法士を務め
高次脳機能障害を専門としている夫を持つ
長女からメールが入る。
     

「 健常な状態ではないからね。
  解らない できないのが当たり前。

  あれも出来ない
  これも出来ないじゃなく

  あれとこれはOK!

  で 行かないとね。 」


こんな 当たり前のことが
事の真ん中にいる私には
見えていないことが多すぎる・・・。




娘は今までしてきたように
玄関の周りや道路沿い駐車場を綺麗に掃き、
横の畑に降りて 少し雑草を抜いた。

しかし
あんなに大好きだった料理や
かかさなかった後片付けや
一緒にたたんでいた洗濯物には
一切興味を示さなかった。


パソコンを立ち上げて 時間をつぶしていた。

摂食障害の娘と共に 試験外泊 


  なんで 病院にいるのか
  なんの 手術をしたのか(手術などしていないよ。) 
  解っていない。
  記憶にない。

  入院二日前に
  大好きな大阪のおばちゃんと仲良しのいとこが
  娘に会いに来たことも
  記憶に残っていない。


   人生幾山河
     歩き続けて
       歩き続けて
         到達するのは
            新しい出発点




 



Posted by パールじゅんこ at 07:05│Comments(0)
 
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えっちら おっちらと進む人生。
苦しいことも乗り越えたはず。
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