
2012年06月29日
摂食障害の娘と共に 優しい夜
やさしい風に包まれて
素敵な夜を過ごした。

まるで
貸し切ったかのような
人どうりの少ない6月末の園内では
癒すように心地良い音楽が流れていた。
酔うような素敵な光に包まれて
私たちはゆっくりと光の中を散策した。
あたたかい風がそよぐ
ハウステンボスの夜は
ゆっくりと更けていった。
心の中まで
そおっと
そおっと・・・
吹き込む風は
傷ついた心を
両手で抱きかかえるかのように
あたたかく やさしかった。



6月26日(火)


HAYATOの願いを叶えてくれた。
佐世保 ハウステンボスの
さやさやと揺れる木立の中に
ひっそりと佇む
コテージ 「フォレスト ヴィラ」 は、
愛想を振りまくでもなく
無言のままに
私達を迎え入れた。

静寂な佇まいの中で
チビッコ達の
はじゃぐ声だけに
空気が揺れた。


じぃじ じんちゃん まちゃパパが
仕事を終えて合流するまで
チビッコ達は
楽しい時を過ごした。





午後6時30分
みんなが合流したホテルアムステルダム内の
レストランで
バイキングを堪能した。
みいは
みんなが驚くほど
食べることを楽しんだ。
「 うち そんなに食べていなかったの? 」
みいの言葉に笑った。

おなか一杯
美味しい食事を終えた私たちは
あてもなくぶらぶらと
歩いた。
白い観覧車から眺めた光に包まれた
ハウステンボスに
チビッコ達は歓声を上げた。

入退院を繰り返した 摂食障害の娘を抱えた1年だった。
主人は
昨年度
勤続20年を迎えていた。
職場から1週間の休暇を頂けるはずだった。
お祝いも出来ず
ただ
娘の命だけを見つめた1年だった。
コテージ 「フォレスト ヴィラ」 の部屋には
大阪に住む甥っ子から
やさしさが届いていた。
「 おじちゃん 勤続20周年 おめでとう 」

1週間の休暇はとることが出来なかったが
一晩の素敵な夜を
私たちは みんなで 過ごした。
HAYATOの誕生日を祝い・・
おとうさんの勤続20周年を祝い・・
みいの快気を祝った。
みんなの集う和の中に
楽しそうな みいの姿がある。
みんなの 笑い声がある。

その夜
みいは いつまでも
「 うちは 病気してたの・・・? 」 と尋ねてきた。
私は二人っきりの部屋のベットの中で
いつまでも
昨年4月から繰り返してきた入院生活の話を聞かせた。
「 うちは そんなにやばかったの? 」 と
いつまでも
何回でも 同じ話を聞きたがった。
私は
繰り返し 繰り返し
みいに話して聞かせた。
壁ひとつで遮られた隣の部屋から
おとうさんと
じんちゃんと
ふたりのチビッコ達の寝息が聞こえてきていた。

Posted by パールじゅんこ at 06:55│Comments(0)