
2013年03月18日
白木蓮

白き乳の
ふくらみおもふ木蓮の
日光のなかに咲きみだれたる
== 前田 夕暮 ==
白い乳・・・と
明治の時代に
若山牧水とともに自然主義歌人として知られ
自由律短歌を提唱しした前田夕暮は詠った。
私には
大きな樹にとまった白い鳩が
一斉に空に向かって
飛び立とうとしているかのようにしか
見えなかった。
電車の窓から
家々の庭先の大きな白モクレンの樹が
やたらと目についた。
日があたると開き
日が沈む夕方になると閉じる・・
その繰り返しの中で
大きく花開いていく白木蓮。
その白い大きな花は清楚に空を仰いでいた。




3月の暖かい日曜日
HAYATOの誘いで電車の旅を楽しんだ。
普通鉄道の駅として
日本最西端の「 たびら平戸駅 」を出発してきた
松浦鉄道「 マックスくん 」にのり
我が家の最寄り駅から50分かけて
佐世保駅まで出かけた。

いつものように
HAYATOは
車内では座席に座らなかった。
一番前の窓にぴったりとおでこをつけて
立ったままで
窓から線路を・・・
行く先の景色を・・。
すぐ横の運転席に座る運転手さんの動きを・・・
各駅で降りる乗客の動きを・・・
観察した。
もっと幼いころから
決して椅子に座ることは無く
一番前の窓から立ったままで行く先を眺めた。
当然 私も
HAYATOに付き添って
立ったままの電車の旅である。
成長したHAYATOに
余計な気配りや
不必要な言葉はいらなかった。
がったん ごっとん揺れる電車の動きに
身を任せ
私は過ぎていく景色を
のんびりと眺めた。
がったん・・・
ごっとん・・・
山間の川岸では
ふっくらとした銀白色のネコヤナギが咲き
心なしか根元の水が
温んでいるかのように感じられた。


土手では
萌黄色のフキノトウが
すっかりと大きく成長し
花を咲かせていた。


がったん・・・
ごっとん・・・
佐世保市街地に向かって
松浦鉄道「 マックスくん 」は進んだ。
柔らかい草で覆われた田んぼは
春の光の中で
優しさを振りまいている。
線路沿いのわずかに残る枯草だけが
最近まで冬であったことの名残を残していた。

到る所で
菜の花が咲き誇り
その香りは電車の中まで届いてきそうだった。

線路の上には
途切れることが無く
ホトケノザが咲いていた。


ゆったりと
春先の日曜日が過ぎていった。
私の街の丘の上で
いち早く 春を運んできた彼岸桜は
今では
すっかり葉桜となってしまった。


水は温み始め
厳しかった冬は終わった。

Posted by パールじゅんこ at 02:12│Comments(2)
この記事へのコメント
わあ! いいですねぇ~
写真に 見とれていました。
写真に 見とれていました。
Posted by アジュンマふきこ
at 2013年03月18日 18:18

ふきこさま
私も 貴女の行動力と 才知に
ほれぼれしています。
進む人生は
自分が描いていた構図とはちょっぴり
違ってしまいましたが
家族全員 元気で暮らし始めましたよ。
神さまはなんて素敵なものを地球上に
造ってくれたんでしょう!!
競って咲き 惜しげもなく散っていく素敵な花々。
ふきこさんの
レンズ越しに眺める花々の懸命さに
いつも愛しさを覚えています。
それにしても
貴女の行動力に惹かれます。
どうか
実りある日々をお過ごしくださいね。
私も 貴女の行動力と 才知に
ほれぼれしています。
進む人生は
自分が描いていた構図とはちょっぴり
違ってしまいましたが
家族全員 元気で暮らし始めましたよ。
神さまはなんて素敵なものを地球上に
造ってくれたんでしょう!!
競って咲き 惜しげもなく散っていく素敵な花々。
ふきこさんの
レンズ越しに眺める花々の懸命さに
いつも愛しさを覚えています。
それにしても
貴女の行動力に惹かれます。
どうか
実りある日々をお過ごしくださいね。
Posted by パールじゅんこ
at 2013年03月19日 05:31
