浮雲

午前6時10分
太陽が昇り始めた。

目を見張る様な鮮やかな空の青さに惹かれ
思わず庭に出た。

綺麗な真っ青なブルーを
私は写すことが出来なかった。

台風24号接近の朝
見たことも無い様な
鮮やかな澄み切った真っ青な空を背景に
朝日が雲をオレンジに染めて
昇り始めた。



リビングから眺める東の空が
ゆっくりと明けていった。

その
鮮やかなブルーは
私の心の中にしか残らなかった。

思いを込めて押したシャターだったが
その綺麗な色を残すことが出来なかった。



明けていく朝のほんのわずかな時間に
空を見上げたり
野山を眺めたり
束の間　ほんの束の間・・　　気持ちにゆとりができる。


窓越しに眺める朝の風景から
日増しに秋の深まりが感じられる。



　



　　黄金色に染まった稲穂が朝露の中で輝き
　　爽やかに朝が始まった。

　　
　　一日として同じでない今日が始まる。


　　たくさんのやりたいことを抱えて
　　仕事に没頭している自分がいる。

　　いつでも読めるように愛車に載せられた単行本は
　　半分まで読んでそのままになっている。
　　
　　　「　色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年　」


　　新聞を開き
　　映画館の放映案内をみてほっとする。
　　　「　風たちぬ　」
　　まだ　　上映されている・・。


　
　　
　　あぁ　　　　　時間がほしいなぁ・・・・・


　

　　　　10月10日　午前5時50分

　　　　　　激しい雨の音

　　　　カーテンを開け真っ暗な外を眺める。
　　　　あれ？　　　今日は雨って予報だったかな？



　　時間は作り出すもの・・・と言われるが
　　時間が・・　　　ほしいなぁ・・