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2014年01月18日

高次脳機能障害 みいの卒業式

三日間東京で過ごした。
とても暖かく春のような陽光に包まれていた。
それは神さまからの
素敵なプレゼントのように思えた。

私はみいを試した。
それは
みいの卒業試験だった。

私は
みいとHAYATOを二人っきりで
ディズニーランドで過ごさせてみた。

「高次脳機能障害」と診断されているみいにとって
それは無謀だと
たくさんの人が反対をした。
だが
私はなぜだか大丈夫だと思えた。
心底そう思えた。


ディズニーランドの最寄りの舞浜駅の前の高架の下で
みいとHAYATOを降ろした。
沢山の人が入場門へ向かって歩いていた。
高次脳機能障害  みいの卒業式


私は祈りを込めて
HAYATOの首に携帯電話を下げた。
HAYAOは
私の携帯番号を覚えている。
SOSはきちんと私に届くはずである。
それは
御守りの役目を果たすはずである。

高次脳機能障害  みいの卒業式

時間は午前9時30分である。
あったかい日差しが二人の上に降り注いでいた。
午後5時に迎えに来る約束をして
車のドアを閉めた。

 
笑顔で手を振る二人を残して
車は発車した。


みいは
道端に立っているガードマンに話しかけていた。
笑顔で。

HAYATOは
神妙な顔をして
みいに寄り添っていた。

HAYATOの胸で
御守りの携帯電話が光っていた。

私は振り返らなかった。
みいの笑顔を信じることが出来た。
みいは卒業証書を
  手に入れることが出来るはずであると
     私は確信できた。


私は
今日という日を前に進んだ。
気持ちを二人から離した。


品川区のホテルを出発して
ディズニーランドで二人をおろし
千葉へと進み
東京湾アクアラインを通過した。

高次脳機能障害  みいの卒業式



東京湾アクアラインの「海ホタル」PAで
資料館で施工過程に感動し、
のんびりと昼食をとった。

HAYATOから電話が入った。
私は何の心配もせず電話に出た。

「 ばあば 今どこ? 」
「 サービスエリアでご飯食べているよ。
  HAYATOたちは どう? 」

「 楽しいよ!  
  ひとがいっぱいだよ。
  じゃあね! 」
    高次脳機能障害  みいの卒業式 

あったかいお日様に包まれている二人の
楽しそうな様子が目に浮かんできた。

水底トンネルは
あっという間に再び都内へと私達を運んだ。
高次脳機能障害  みいの卒業式

個人タクシーのドライバーの案内のおかげで
都内の穴場を快適に観光した。
午後3時40分
葛西臨海公園の水族館に入園した。
待ち合わせまでの時間を
ここで調整した。

午後4時40分
九州 佐世保より1時間程早く日が沈んでいった。
綺麗な夕陽だった。

高次脳機能障害  みいの卒業式


  午後4時45分
  葛西臨海公園に夕闇が迫ってきた。
高次脳機能障害  みいの卒業式

 私は
 HAYATOの携帯に電話を入れた。

 「 5時にお迎えに行くからね。」
 「 わかった。
   ママに変わるね。」


 携帯の向こうで
 興奮した元気なHAYATOの声が
 弾んでいた。

 「 解ってるよ。
     今朝 車を降りた場所に
   向かってるからね。」 

 とみいの声も弾んでいた。


午後5時
私達の車が到着するのを二人は待っていた。
 きちんと約束どうりの時間に・・
 きちんと約束どうりの場所で・・
お土産を持った二人が乗り込んできた車内は
一気に賑わった。

日が沈んだ午後5時30分
ホテルまでの帰り道に
お台場での「ガンダム ショー」に
観光タクシーのドライバーが案内してくれた。

還暦を迎えた今でも
ガンダムのプラモデルに凝っている主人が
HAYATOよりも興奮したのは
言うまでもない。

高次脳機能障害  みいの卒業式



高次脳機能障害  みいの卒業式

 ドライバーの粋な計らいの
 15分のガンダム ショーは
 楽しかった一日のエンディングにふさわしかった。
   

高次脳機能障害  みいの卒業式

    平成26年1月13日が終わった。

 


私はみいが
高次脳機能障害を克服したことを感じた。
みいには
もうこの病名は必要ないと確信した。

長かったみいの病気との闘いは終わった。


高次脳機能障害  みいの卒業式


 娘 みいは
 3年前
 
  「摂食障害」から生死の境をさまよった後
 2年前
  結石の手術後の後遺症により
 
  「高次脳機能障害」と診断を下された。

  高次脳機能障害  みいの卒業式

  
 私は精神科の医師の前で途方に暮れていた。


 「 先生 娘の症状はおさまりますか?
   娘は治るでしょうか? 」

 「 これ以上にも   これ以下にもならないでしょう。 」
   言葉は悪いが
   娘さんをうまくだまして 
   精神病院への転院をおすすめします。」

だが
私は医師の言葉に従わなかった。
娘を家に連れて帰った。
一人で家に置くことを多くの人に反対されたが
私はその言葉に従わなかった。
私は家事を全てみいに任せて働きに出た。

あれから2年
  過ぎていく時の中で
  多くの方々の祈りと励ましに支えられて
  娘は回復していった。

  少しづつ
     少しづつと・・・。


ディズニーランドでの今日という日は
みいの卒業試験だった。

みいは
高次脳機能障害を克服したと私は思う。
みいは 卒業できたはずである。
高次脳機能障害  みいの卒業式


  二人はきっと
  手を取り合ってその人生を
  二人のカラーで歩んでいくだろうと
  私は信じることが出来る。

  万が一
  みいに何らかの障害が隠れていたとしても
  成長を続けるHAYATOが
  支えていくはずである。

高次脳機能障害  みいの卒業式

       
  神さまは
  みいに卒業証書を与えてくれた。
  あったかいお日様の光でラッピングして。

    
   先が見えず 苦しかった日々は
  過去のものになった。

 
  

 私は聞こえる。
 「純子さん
 いつでもあんたたちの幸せを祈っているよ。」
 と言う 亡き姑の優しい声が・・。
  高次脳機能障害  みいの卒業式  



   
    
 私は祈る
  「 私達家族を
 そっと見守っていてください。」  と・・。

高次脳機能障害  みいの卒業式



Posted by パールじゅんこ at 23:07│Comments(6)
この記事へのコメント
おめでとうございます。

みいさんとはやとくんは、きっとやってのけると信じて、思っていました。自分のことのように、温かい気持ちになりました。。。
Posted by なほこ at 2014年01月19日 20:12
本当に良かったです、おめでとうございます。
Posted by ぽちゃ子 at 2014年01月20日 02:36
なほこさん
ぽちゃこさん

ありがとうございます。
思いもかけなかった人生のつまずきに
どんなに苦しい思いをしたことか・・。
しかし
私はこのブログという世界で
苦しい胸の内を掃出し進んできました。

良い事ばかりの人生ではないということが
みいの一件を通してわかりました。
  山あり・・  谷あり・・
でも
たくさんの方のあったかい応援を頂けました。

多くの方の励ましとエールを頂きました。
私はそのことを決して忘れずに
慎重に人生を歩んでいきます。

主人は今年60歳を迎えます。
私は間もなく58歳です。

  
Posted by パールじゅんこ at 2014年01月21日 07:52
素晴らしい卒業ですね。
じゅんこさんが感じるみぃさんの力を信じきった素晴らしい結果ですね。
私も娘を信じて頑張ります!
Posted by こりの at 2014年01月29日 00:16
素晴らしい卒業ですね。
じゅんこさんが感じるみぃさんの力を信じきった素晴らしい結果ですね。
私も娘を信じて頑張ります!
Posted by こりの at 2014年01月29日 00:16
こりのさん
 人生は 山あり 谷あり
 苦しいばかりでは決してないでしょう。
 幸せばかりが
 永遠に続きはしないでしょう。

 苦しみの後の幸せは
 とっても 穏やかです。

 無風状態の海面のようです。

 こりのさん
 娘さんに愛情を注いであげてください。
 そして
 娘さんに 頼ってみませんか?
 小さなことでいいので。
 頼みごとを 増やしていってみてください。

 私の心がけてきたことです。

 正気ではないのかも・・・と思いつつ
 私はたくさんの小さな頼みごとを続けてきました。

   切手を買っておいてね。
   コンビニで 振り込みをしてきてね。
   電球を買っておいてね。
   
 ありがとう・・の言葉をたやしませんでした。

 何が良かったのかわかりません。が
 みいは
 おかげさまで回復しました。

 こりのさん
 あなたも
 きっと心休まる日が来ることでしょう。

 どうか
 ゆっくりとお進みください。

 私も 用心しながら 生きて行くことにします。
Posted by パールじゅんこパールじゅんこ at 2014年02月15日 21:31
 
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苦しいことも乗り越えたはず。
悲しいことも通り過ぎたはず。
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100%信じている私こと じゅんこです。


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