
2014年03月29日
映画 永遠の0(ゼロ)
シネマボックスの小さな会場の中は
ほぼ満員だった。
涙無くしては観れない と評判の
人気映画「永遠の0」は
すでに
小さなスクリーンのある小部屋での上映に
切り替わっていて
上映が間もなく終了するのが感じられた。
正午を挟んでの上映時間なので
バックの中に
小さなおにぎりを忍ばせて
主人と並んでスクリーンを見つめた。
だが思いがけず
満員なので食べるのを躊躇してしまった。
映画館に入る前に菓子パンで腹ごしらえをしていたので
どうにか
空腹はまのがれた。 ・・・・が
横の席の綺麗な奥様のお腹が鳴るのが
とても気の毒だった・・


主人がずーと興味を持っていた「永遠の0」は
「生きるということ」
「戦争を風化させないこと」
がテーマと言われていた。
生と死の狭間で生き抜いてきた若者たち。
「生きて帰り、家族を守りたい」と切望する主人公だが
願いが叶わず特攻隊としてこの世を去った。
しかし 最後まで
「生きろ! 生きて帰れ!」と後輩たちを導いた
ゼロ戦の名操縦士だった彼と、
生きて帰ることが出来た後輩達の
戦時中の物語には壮絶なものがあった。

主人公亡きあと
時代は流れ
主人公の残した愛娘は成長し一男一女の母となり
その子供たちも成人し
時代は平成となった。
主人公を知る戦争経験者たちは老齢となり
間もなく
その命を全うしてしまい
戦争を語る人間のいない時代がやってくる。

戦争の苦しさ、悲惨さを風化させてはいけない・・と
主人公の孫たちによって訴えられた
物語からなるこの映画を観て
終戦時代を生きた人々の数だけ
様々な物語があったはずである。 と感じた。
私もその一人である。
戦争によって
私の母という一人の人間の運命が変わった。
そのことによって
私という人間が生まれてきたんだ・・と
改めて戦争による運命というものを考えさせられた。
時代の流れの中で生きてきた母。
家族とともに四国 徳島から九州に移り
そして 大阪の街へと移り住んだ。
青春時代を大阪で過ごしていた母は
終戦間際に疎開を強いられ
徳島の親戚を頼り風呂敷包みを抱え海を渡った。
戦争から帰った父と結ばれた。
戦争がなければ
母は大阪の街で暮らし父に会うことは無かっただろう。
私はこの世に存在しなかった。
戦争が終わり
その頃の日本のすべての人間に
それぞれの物語があったのだろうと
戦争を知らないが・・
私も当時の日本人の生きざまに心を馳せる事が出来そうである。
生意気だが・・・。

主人と二人っきりでの
数時間の自由が取れた日曜日であった。
「 よかったね。
上映が終了する間際に映画館で観れて・・
俳優さんたち。 上手かったね。
力が入ったね!」
「 あぁ。」
映画のストーリーは平凡だった。
しかし
主人公を取り巻く登場人物の俳優たちの
個性とその熱演ぶりに感動を覚えた。
1997年に結婚した私たちは
37回目の結婚記念日を迎えた。
貧しいが平和を約束された時代に生まれ
急激に発展する国で育ち
豊かで平和な時代を私たちは生きてきた。

Posted by パールじゅんこ at 00:11│Comments(0)