浮雲

あっという間の年月が
あっという間に過ぎ去った。

１９歳で知り合った男性とパートナーとなり
４０年という春夏秋冬を
共に暮らしてきた。

あっという間に４０年の月日が
あっという間に流れ去っていった。



いつかぜ～～～ったい　別れてやる！と
密かに考えた若い頃もあった。

こんな女となぜ一緒になったのか・・と
相手も後悔したこともあったはずである。


しかし
どうにか
４０年の春夏秋冬を共に歩み
懸命に働き３人の娘たちを育てた。
長男家族として舅を送り　姑を看取った。

民間企業から
地方公務員への転職は
夫婦二人でしか語り合えない苦労もあった。

娘の病気に悩まされた時期もあった。
悩みというよりも
死と直面した娘を抱え
夫婦で支えあいながら恐怖の日々を過ごした時期もあった。

いろんな
つらいことや苦しいことが思い出される。
楽しかった思い出よりも
苦しかったことのほうが鮮明に思い出される。
二人で支えあって乗り越えてきた出来事が
鮮明に思い出される。
不思議と・・・。




あっという間に４０年が過ぎていった。
　ひとつの秋が過ぎ
　ひとつの冬を迎え
　新しい春がやってきたら
主人は定年退職を迎える。

退職にあたって
記念にどこかに出かけようと
又うずうずと　虫が騒ぐ。

主人の定年退職の記念に
小学２年生の孫君を
海外旅行デビューさせようと考えた。

近くに住む長女家族を誘ったが
まだちびっ子すぎるので
冬場の旅行計画は同行できなくて
ふられてしまったので
我が家だけで出発することにした。



孫くんの
パスポート用の写真が出来上がってきた。
証明写真にしてはとてもいい写真が出来上がった。

Tシャツを着た孫くんは
ほんの少しはにかんでいて
とても明るい表情をしていた。
写真やさんのご主人のギャグが想像でき
絶妙なシャッターチャンスに感心した。





私は旅先を考える日々が続いている。

「暖かい国に行こう」という点で
家族全員意見が一致した。

福岡空港発　直行便での出発に絞ると
行先が限られてきた。
グアムにしようか・・
　サイパンまで足を延ばすには
　ちょっぴりハードすぎる。
ベトナム　ハノイは寒すぎる・・
　ホーチミンだけに絞るべきである。
　
どこの旅行会社にしようか・・
ホテルを重視すべきか・・
オプショナルツアーを充実すべきか・・・

夜な夜なネットで検索を続ける。

仕事が休める２月は
まだまだ先のようで
きっと　あっという間にやってくるはずである。

「近くが良い！」という孫くん
「飛行機の中だけゲームしてもいいよ。」の一言に
瞳が輝いた。

私は
私たちは
家族全員そろって
健康でいなくてはならない。