浮雲

もう　冬には後戻りしそうにありません。



「今夜は　凪ぐかなぁ・・」
数日前から　
海を眺めてうずうずしていたボスが言ったのです。

「　よし！　今夜こそ　タコ捕りに行くばい！」

仕事が終わるなり竹を切りに行き
その先に「ホコ」を取り付け
そして　私の孫くんに電話を入れたのです。

「7時に集合ばい！」と
ボスは大きな声で集合命令を下したのです。
ひとまず帰宅した私は
大急ぎで晩御飯を食べて主人と孫くんと共に
再び職場へと戻りました。

防寒着と帽子と長靴と懐中電気を持って！

　　　　

潮の引いた夜の海岸を歩き
水際でゆらゆらと揺れているタコを
ホコで突いて捕獲するのは
海辺で暮らす人々の楽しみの一つであり
午後7時頃から9時頃に大潮の干潮を迎える夜は
絶好のタコ捕り日和りです。
もちろん条件は
　風が吹かなく
　　　波が立たない夜でなければなりません。


　一昨日は〇〇さんが何匹捕った。
　俺も昨夜20匹捕った。
地元の人たちのタコ捕り自慢が飛び交うこの頃。


もちろん
　ここ数日　ボスの心も落ち着かなかったのです。

今夜を逃すと
　再び絶好の条件を満たす日は
　ず～～～～と先になってしまうので
すこ～～し
　風があるが強行突破です。


「　行くバイ！　　アンタも来ないよ！（おいで！）」
そして
学校から帰っている孫くんに電話を入れたのです。
ボスは
我が家の孫くんを連れて行きたかったのが本心なのは
見え見えです。
　　　　私たちは・・・・　　　ふ・ろ・く。


そして
　　約2時間　　
　　　　夜の海辺でうろうろと遊んできました。



　手に手に　
　　　　懐中電気を持ち　　ホコを持ち
　　　　　　　　私だけは　竹の杖を持ち
　
　潮の引いた水辺をてくてく　　てくてく・・・



　　　　潮の引いた夜の磯は
　　　　　もちろんサバイバルです。



　　タコがいないか・・・・
　　　　　魚がいないか・・・・


　　　　魚も　　いい迷惑


　　　本命は　このちいさなタコなのに


　　　孫くんも　ボスの手ほどきでお見事です。








　　　ワイのワイのと
　　　　　　春の夜遊びを楽しみました。

　　　私は
　　　　　竹の杖をついて
　　　　　　　ぶらぶらしているだけでした。


　　それにしても
　　　　　いつも思うんだけど
　　　　　　　　男性は　狩りが　好きですよね。

　　孫くんも小さくても　男性だ！










　　　今夜は　ちょっぴり不漁みたいです。


　　　　　　　　　　　　　　　


　　　春の磯は　楽しいことがいっぱいです。

　　　　　　　海の幸もいっぱいです。
　　　　　
　　

　　　　　　　　　　　（　　牡蠣　　）