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2015年04月27日

兄との時間

会いたくなった。
頑張っているのかなぁ・・・

無性に会いたくなった。

今年の冬に脳内出血で倒れ
半身不随となり
リハビリテーションで懸命に頑張っている
三つ違いの兄に無性に会いたくなった。

3週間前に見舞った兄だが
家族に囲まれていたため
私たち兄妹は心からの話を交わしていなかった。

私は
兄と話がしたい。  無性に。

兄との時間

どうすれば仕事に差し支えずに
家族に負担をかけず
旅費を最小限に抑え
四国 徳島に行ってこれるか私は案を練った。

人手の足りない超零細企業に勤める私は
非常に忙しい日々を送っている仕事人間である。
日曜日と言えどもなかなか休めないのが
現状である。

私は仕事を一日休むだけで
徳島まで行ってこれる方法を探した。

その行程は
不思議なほど簡単に探し出すことが出来た。

自宅から車で10分のバスターミナルから出発して
再びバスターミナルまで
帰ってくることが出来るのである。
こんな田舎町に住んでいるのにも関わらず
とても便利で安値での行程を探し出せたのである。


私は
仕事に差し支えずに休める日がやってくるのを待った。
そして
事務にも作業にも差し支えない日を迎えた。

 雨  雷

     雨   雷  


         雨   雷

       明日は 激しい雨。  雨

日曜日だったが出勤して
仕事を片付けた私は思いきって社長に言った。
「 明日の月曜日 休ませてください。」

そして
私はその日曜日の夕方
早めにお風呂に入り自宅を出発した。
「 佐世保まで送ってやるよ。」という主人の好意に甘え
車で30分。
佐世保駅前バスターミナルまで送ってもらった。
天気予報通り雨足が激しくなり始めた。


4月19日(日) 
  佐世保バスセンターで徳島までのチケットを購入し
  高速バスに乗り込んだ。

18時
  佐世保バスセンター発 
  福岡天神バスターミナル行き
    
         下
 
21時30分
  福岡天神バスターミナル発 
  岡山~瀬戸大橋経由
  香川 高松駅高速バスターミナル 翌朝7時45分着
兄との時間

   夜行バス 「 さぬきエキスプレス 」
        
兄との時間
翌朝7時45分着
  香川 高松駅高速バスターミナル着


翌朝20日(月)

7時50分
 香川 高松駅高速バスターミナル発 
9時25分
 JR徳島駅バスターミナル着

     下

JR四国を利用して南小松島駅へ到着

  佐世保から徳島まで高速バス 10850円
  JR四国 580円
  タクシー 680円


午前10時過ぎ
私は兄の個室をノックした。

3時間30分という時間を私は兄のそばで過ごした。

1時間のリハビリに付き合い
兄の部屋で売店のお弁当を食べ
他愛もないおしゃべりを交わした。

13時40分
私は兄の部屋を後にした。

汗だくになり
リハビリに励む兄は
足首に固定の装具を付けただけで
杖がなくても歩行が出来るようになっていた。

言語のリハビリを受けている兄の言葉は
ほゞ理解できた。

しかし
膝の上に置かれた右手は
少しむくみを伴い
ピクリともしなかった。


高校を卒業し自宅を離れて以来
兄と二人っきりで過ごした時間は初めてだった。

窓の外は 霧雨が降り続いていた。


   雨 汗   雨  汗   雨  汗 


私は
小松島病院を退院後しばらく自宅療養をした後
霧島リハビリテーションセンターに再入院をし
5週間とい入院生活において
 脳と末梢を繋ぐ神経回路のうち、
 目的にあった回路を強化することができれば、
 回復の 可能性はある
と説いた川平教授の治療を受けることを進めた。
これは
大阪に住む姉の強い希望であった。

病に伏した兄は非常に涙もろかった。


13時40分
私は兄との束の間の再会にピリオドをうち
タクシーで南小松島の駅へと向かった。
私たちはまだまだ話足りなかった・・


41年前高校を卒業し大阪へと向かう私は
故郷を離れる日にこの駅に降り
和歌山行のフェリー乗り場まで歩いたのだった。

変わっていないかもしれないと思った構内で
目の前のひらひらと風に吹かれる名もしらぬ
可愛い花弁を見つめる私の上に
静かな時間が流れた。
兄との時間

あれから
どれだけの時間が流れたんだろう。

大阪の街で主人と知り合い
長崎で懸命に生きてきた時間の中で
父も  母も 逝ってしまった。
そして
離れ離れに生きてきた私も兄も 年を取った。
兄との時間


 JR四国 南小松島駅13時51分発の快速電車は
 その後 10分後に徳島へ到着。
 そして JR四国 高徳線特急うずしお (徳島~高松)
     JR瀬戸大橋線 快速マリンライナー (高松~岡山)
     西日本新幹線 さくら (岡山~福岡)
     高速バス(博多駅バスセンター~佐々バスターミナル)
 と 乗り継ぎに非常に便利に設定されていた。

        徳島から福岡         13,680円
     福岡から佐々バスセンター  2,260円

私は順調に乗り継ぎ
福岡博多駅に19時24分に到着した。
ここで高速バスに乗り換えた。

午後10時5分 
自宅近くの佐々バスセンターへと到着。
迎えの主人の車に乗り込み
10分後自宅に帰りついた。

  バス  バス  バス  バス  バス


翌朝 何気ない顔をして出勤した。

あれから1週間
私は日々てんてこ舞いで働いている。
 日よけの帽子をかぶり
 手袋をはめ
 長くつを履き
 ヤッケを着て
朝から晩まで 
汗だくになって屋外の作業に追われている。



私達夫婦は
商売をしていた主人の両親から受け継いだ土地に
単身用のアパートを建てる計画を進め始めた。

  


 
  




Posted by パールじゅんこ at 01:09│Comments(2)
この記事へのコメント
海を渡ってお兄さんに会いに行く…、
すごいです!
私は東北に住みながら、たまに週末に夜行バスで関西でひとり暮らしの父の様子を見に行きます。父は元気なので予定通りに帰りますが、母が病気の時は後ろ髪を引かれる思いでした。海を渡ることもなく、バスで眠れば朝は大阪。帰りは友達が集まってくれます。それも力に替わりますから。
四国はそうはいきませんよね。それも小松島となると…
疲れが出ないようにして下さいね。
Posted by 小町 at 2015年04月30日 12:19
小町さん
 小町さんも一人で夜行バスに乗るんですね。
 お父さんを思って。
 私は恥ずかしいことながら
 自分の家族のことばかりにかまって実家への心使いを長年おろそかにしていました。
 娘さん いかがですか?
 みいは 後遺症を引きずっていますが(高次脳機能障害)
 元気に暮らしています。
 みいの後遺症は 私達夫婦にいろんなことを学ばせてくれます。
 些細なことですがみいの行動に
 理解できないことが多々あります。
 それを乗り越えていくには「忍耐」が必要です。
 いろんな問題を抱えていますが
 私は健康で頑張っています。
 あなたもいろんなところで「力」をもらって
 頑張っているんですね。
 楽しいことを見つけて一日を過ごしましょうね。
 
 
Posted by パールじゅんこパールじゅんこ at 2015年05月01日 01:02
 
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えっちら おっちらと進む人生。
苦しいことも乗り越えたはず。
悲しいことも通り過ぎたはず。
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絶対幸せで楽しいはずと
100%信じている私こと じゅんこです。


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