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2015年10月22日

主人の一言

「おい! 人生棒に振るなよ!」

一心不乱に働いている私にその言葉は突き刺さった。
 心の真ん中に・・・
 思考能力を司っている脳味噌のど真ん中に・・・
それは五寸釘となって私に突き刺さった。


主人の一言

家事全般を娘みいに任せ
早朝から夜まで私は仕事に没頭していた。
遊漁船業と船舶修理販売店を営んでいる会社に勤める私は
平日は休むことが出来ず
日曜日は天候に恵まれたおかげで沢山のお客様に来て頂き
早朝から雑務に
夕方から夜にかけて事務処理に追われていた。

宗教に無縁の私だが
その言葉は鮮烈に神の聖水の如く私の心に突き刺さった。

私は
主人の言葉をまっすぐに受け止めることができた。

しかし
現実は 現実である。
超零細企業に勤める私の代わりを務める人間はいない。
別の人間を雇うには
私の熟している雑務は利益を生み出さない仕事である。
薄利経営のわが社で
従業員を抱えることがどういうことであるか
経理をしている私には社長以上に判るのである。
   悲しいことに・・・。
私は「必要とされている。」という自分勝手な思い込みで
自己満足に陥っているだけかもしれない。
とにかくまともに休みを取ることができずに過ごしている初秋の頃の
ひと朝の主人の言葉であった。

主人の一言


私は納得した。
  人生 棒に振るなよ
そうなんだ!!
せっかく生かされているこの命を持つ私という人間を
私はもう少し可愛がってやらなければならない。
もう少し家族との
いいえ 
主人との時間を大切にしていかなければならない。
仕事以外にかかわらなければいけない大切な人たちもいるはずである。
   仕事!  仕事!  仕事!で  
終わらせるわけにはいかない  せっかくの人生を。
目が覚めた思いがした。

主人の一言

私は少し体調を崩しかかってもいた。
夏の終わりから
鈍い胃痛を抱えていた。
今年の初めに
胃カメラによって検査した沢山のポリーブが気になっていた。
それに併せて
胆のうに抱える小さな二個のポリーブも気になっていた。

残業によって決算処理を終わらせ休みをとれる日を待った。

決算書を作成し
税理士から納税額を知らされるまでの間に
きっちりとした休みを一日だけとった。
しかし
社長から「俺が外で仕事をしているときは電話をとってよ。」という
条件付きの休日である。
携帯電話への転送サービスのため
私はいつでも仕事から離れることはできないでいる。
事務所に一日中だけ足を運ばないでいいというだけのことである。

その日は早朝から病院へと出かけた。
当日に検査を受けられるものならと昨夜9時からの飲食を控えていた。
胆のうポリーブ検査の腹部エコーは当日に検査を受けることができたが
胃カメラは1週間先の予約となった。
診察が終わったのは正午近くなっていて
午前中の診察受付時間が終わっているので待合室は閑散としていた。

午後に自由な時間を手に入れたのである。

私は会いたい人がいた。
初夏のころに交わした約束を抱えていた。

    主人の一言 
  
迷うことなくスマホのダイヤルを押した。
どうか 出てくれますようにと願いながら。

とても明るい声が私を受け入れてくれた。
私は自分の顔が緩んだのを感じた。

2時間後に自宅に伺いすることを約束して手短にスイッチを切った。

主人の一言




Posted by パールじゅんこ at 06:05│Comments(0)
 
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