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2016年10月22日

慢性 左肩脱臼 ・・・ 私

慢性 左肩脱臼 ・・・ 私

 ホッと足を止めて
 昔に戻ってみたいような
 もの悲しい爽やかな季節がやってきた。

 どこかに出かけたいような・・・
 儚げなお日様の下で 一休みしたいような・・

慢性 左肩脱臼 ・・・ 私

 相変わらず休みも取れず働き詰めの先日のこと。
 次から次へと
 作業に追われていた私は小走りで屋外でせかせか働いていた。

 小走りで・・・
 つまずいてしまった。
  
    あっ こける! 

 とっさに左横の手すりを左手でつかんだ。

 ぐち!  と 
 肩が抜ける鈍い音がした後 私は膝をついた。

   あぁ やってしまった。

 私は子供のころから
 左肩をすぐ脱臼してしまう持病(?)を持っていた。

   起き上がって 肩を抑え 
 屋外で船舶の修理をしている社長のところへ行き
 肩を引っ張ってもらった。

 遠慮がちに引っ張る社長のコツでは治りそうになかった。 

 主人のそばでの脱臼は
 即座に腕を引っ張ってもらって治してきた。
 脱臼したすぐには痛みがないので今までは治ってきた。
 脱臼したと甘えていられない場所での脱臼は
 自分で肩を回して荒治療で治してきた。

 今までは・・。

 しかし3年前の脱臼は病院のお世話になった。
 今回も仕事を放りだして近所の整骨院に駆け込んだ。
 午前11時前の出来事である。
  
 数時間 治療を試みてくれたが外れた肩はもとには戻らなかった。
 隣町の整形外科を紹介され治療を受けたがもとには戻らなかった。
 更に
 紹介状を持ち佐世保市への病院に着いたのは午後5時を少し回っていた。

 脱臼の専門医が手術中だということで
 整形外科の受付の前で少しの間待った。

 我が家の近所の整骨院から運転手を務めた次女みいは
 病院から 病院へと巧みに運転をして
 高速道路を通り佐世保市街地の病院まで私を連れてきた。
 整形外科の受付で
 紹介状とレントゲン写真の入った大きな封筒を渡すと
 ちゃっかりと商店街へと出かけていった。

 レントゲンを撮り
 透視室へと移動すると
 手術を終えた脱臼の専門医が待っていてくれた。
 処置台の上であおむけになって寝た私は再び腕を引っ張られた。
 今までと違うのは
 若い医師が絶え間なく他愛もないことを話しかけてきたことである。
 私は痛みで極度に緊張していたので
 必要以上に肩に力が入っていた。
 その緊張をときほぐすために世間話をしてくれたことが
 ひしひしと伝わってきた。
 数十分 様々な角度に腕を引っ張られたが
 私の肩は戻ることがなかった。

 もうこれ以上引っ張られたくなかった
 私は
 ここで もっと早く言わなければいけなかったことを
 ようやく口にした。

 「 3年前に肩が抜けた時に
  緊急指定病院の外科で治してもらいました。
  ベットにうつぶせに寝て
  ダイビングの時に使うような鉛を手首に巻きました。
  最初は10㎏くらいの重りで20分くらいおき
  徐々に重りを付け加えて
  さらに時間を置きながら気長に待たされました。
  5㎏づつ増やしていって
  そして ぐちっと入りました。」 と。

 若い医師は
 すぐ私の話しを聞き入れてくれて
 透視室から 治療室へと私は運ばれた。

 ベットにうつ伏せに寝た私は
 腕に包帯を巻かれ指先に重りをぶら下げられた。
 ベットのそばには誰もいなかった。
 待つこと数十分 変化がなかった。
 若い医師は私のそばにやってきて
 重りを加えることをせずに
 ゆっくりと私の腕を揺らせた。
 しばらくゆらゆらとゆっくりゆすり続けた。
 すると
 大きな音とともに外れていた左肩の関節が元に戻った。

 「 あ! 戻りました。」
 「 戻ったね!」
 私はもちろんのこと
 脱臼の専門医からも安堵した気持ちが伝わってきた。

 痛みで苦しかった私はほっとした。

慢性 左肩脱臼 ・・・ 私

 どの医師からも
 力が入りすぎているので治療が出来ないと言われた。
 私の我慢が足らなかったせいだと思えた。

 最初から
 「引っ張らないでください。
  その代わり重りを下げてください。」といえばよかったと
 後悔した。

 だが
 私はお医者様を目の前に
 偉そうに治療方法を指図することには
 大きな遠慮があった。
 いよいよもって言わなければならない時点まで
 口にすることが出来なかった。
 自分の苦痛のことなのに・・・。

 MRI検査を勧められた私は数日後の予約を入れて
 みいの運転で高速を使い30分の道のりを
 自宅へと帰りついたのは午後7時になっていた。
 午前10時過ぎに脱臼してから8時間がたっていた。

 肩の痛みから解放された私は
 急に右足の膝に痛みが走りだした。
 転んだ時に右足を強く打っていたようである。
 自宅に帰った時には
 腫れ始めた右ひざを曲げることが出来なかった。

 翌日
 職場の和式のトイレを使うことが出来なかった。
 膝が腫れてしゃがむことが出来なかったのである。

慢性 左肩脱臼 ・・・ 私

 私は
 急に「老い」の二文字を否定することが出来なかった。

 摂食障害で苦しんで来た次女みいに
 心痛めてきた親心から
 否が応でも私は卒業していく時期を迎えたようである。

 私は
 私の心配をする時期を迎えたように思えた。

慢性 左肩脱臼 ・・・ 私

 学校から帰るHAYATOに置手紙をして
 最初に治療を受けた病院まで
 歩いて私を迎えに来て
 私が乗ってきた車の運転をして
 30分程はなれた街の整骨院へと行き
 私の治療に付き合い
 更に40分ほど離れた佐世保市への病院へと移動し
 病院の窓口でてきぱきと
 患者(私)付き添いの家族の役目を果たしたみいを見ていると
 みいのこれから先の人生を何ら心配することは無いと
 確信できた。

 迷うことなく彼女を信じ
 彼女を頼り
 彼女に我が家の「お母さん」の役目を担わせるべきであることが
 これからの我が家の進む方向であると理解できた。

 我が家の中で
 私の役目は
 「お母さん」を卒業し
 「おばあちゃん」でなければならないと思えた。

 私は
 自分自身のことに最新の注意を払いながら
 健康で暮らしていかなければならない。

 いつもは
 脱臼が治ると痛みなど全くなかったが
 今回は数日間痛みが取れなかった・・。
 

   「 年!  年! 」

    誰もが   笑う!
 
慢性 左肩脱臼 ・・・ 私



Posted by パールじゅんこ at 00:47│Comments(2)
この記事へのコメント
脱臼大変でしたね。。以前の施術の経験を病院も違う中だし、言わなきゃにたどり着くのに時間がかかるのよくわかる気がします。。。(^^;
思えばこの先どうなるのか、、、そこまでしか見えない中から、こんな素晴らしい先に繋がって、卒業。。。
禅の言葉がぼんやり浮かびました。
、、、紆余曲折あっても、それを艱難と捉えずゆったりと受け入れることが大切であろう。
みたいな、、、
じゅんこさんが、みいさんに居場所を与え、みいさんの流れを止める事なく、ゆったりと見守り、その傍らで子育ての手伝いをし、しっかり働き、生きる姿勢を貫いて、、そしてそしてそこにはいつもあたたかい空気が流れていた事が想像できます。。。
じゅんこさんのこのブログは、私の教えの存在になっています(^^;
ありがとうございます(*^^*)
Posted by こりの at 2016年10月22日 09:15
こりのさん  
対者我映という言葉を教えられたことがあります。
今まさしく みいに私の心が反映しているように感じます。  
今まで どんなに忠告しても聞き入れなかった些細な日々の出来事を  
みいが素直に聞き入れるようになったのです。  
みいに素直さをかけさせていたのは 
実は私への反抗心だったかもしれません。  
私がみいに家族の中心の座である「お母さん」の座を譲ろうと決心してから  
みいの態度が変わりました。  
こんなところに 答えがあったなんて・・・  
こんなに簡単な式が私には今まで解けなかったんですよね。  
まさしく目から鱗 そのものです。  
みいの態度に心痛める前に 
私自身が変わらなければいけなかったんですね。  こりのさん。  
どうも 私は「ゆとり」にかけているように思います。
ゆったりと 広い心ですべてを受け入れる余裕にかけているように思います。  
丁寧に式を解いていってみようと思います。  
私が21歳の時から主人と共に築いてきた家庭を・・  家族を・・  
みいをこんな目に合わせてしまった母親である私を もう一度やり直してみようと思います。  
見ていてくれますか?  
みいの成長を・・  
私が一歩下がった分だけ みいが成長していく姿を・・。  
何だか目が覚めた思いがします。  
貴女の優しい言葉で。  
「 禅の言葉 」 私には無縁の世界でした。  
私も勉強させてください。  
こりのさんと一緒に。  
こちらこそ 優しいコメント有難うございます。
Posted by パールじゅんこパールじゅんこ at 2016年10月24日 22:54
 
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苦しいことも乗り越えたはず。
悲しいことも通り過ぎたはず。
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100%信じている私こと じゅんこです。


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