浮雲

北九十九島の島々は「　トベラ　」が
咲き誇っていた。








　　　　　
　
　　仕事に明け暮れたゴールデンウイークだったが
　　最後の日曜日に休みが取れた。
   
　　どこか観光地に出かけたかったが
　　職場のみ～～なと家族で釣りに行くことにした。

　　行先は
　　でっかいイサキを狙って
　　江迎港を出港し　枯木島へと向かった。
　　枯木島の向こうに黒島が見えていた。


　　　



　　3月末の日曜日に
　　佐世保市相浦港からフェリーで遊びに行った島である。

　　この大きな船で
　　黒島まで行けたら
　　私だけ上陸して　電動自転車を借りて
　　再び　島めぐりをしたいな・・・なんて勝手に思ってた。
　　でっかい船は
　　枯木島の手前や少し通り過ぎた場所にイカリを降ろした。
　　

　　　　２０ｃｍ前後のアジが4匹・5匹とかかってきた。
　　
　　　　　　
　　　
  ＨＡＹＡＴＯが釣ったアジに
　ヒラメがついてきたが
　タモですくう寸前ヒラヒラと逃げていった。



　　　
　　　　

　　　

　ゴールデンウイーク中の
　最後の宿題を持参してのＨＡＹＡＴＯは
　でっかくて快適な釣り船の上で
　宿題にも取り組んだ。



　逃げていったヒラメは揚らなかったが
　立夏を迎えた爽やかな風は
　潮風とミックスして心地よかった。





　　　ゆっくりと時間が流れた。

　　　私は仕事を忘れ
　　　元気でＨＡＹＡＴＯと過ごす時間を持てることが
　　　幸せだった。



　　　　　　　　　

     20ｃｍサイズのアジは
　　　塩焼きにはちょっぴり小さかったので
　　　　　三枚におろし
　　　　　中骨を取り除き
　　　南蛮漬けにした。

　　　　





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　
　　




　付け合わせは
　畑のアイスプラント　　と　知人から頂いた新玉ねぎ
　　


　仕事に追われ
　畑を耕す時間が取れず
　コンテナで栽培するアイスプラントは
　思うように育たずにいるのが
　とても残念である。

　夢中で働いて行く中で
　季節は　夏へと移行して行く。

　

　長い間　眺めてきたはずなのに
　島々で咲き誇るこの可憐な花に
　今まで　気に留めることがなかったのが不思議だった。
　



　体の中に病巣が見つかり
　手術によって取り除いてもらってから
　自分の命というものを見つめるようになった。

　それと同時に
　今まで気に留まらなかった自然の輝きが
　急に鮮やかに目に留まるようになった。

　海沿いの野山で勢いよく成長する花ほど
　新鮮で美しいものとして目に映った。
　自然の全てのものが
　命を授かり　今を懸命に生きているのが
　感じ取れた。

　
　野山で次々と咲く白い花々は
　とても清楚で
　その白い花びらがお日様に向かって
　一途に命をアピールしている姿に
　新鮮な感動が胸に広がってくる。

　振れてはいけないような
　凛としたその姿に
　気持ちが清められるような気がした。
　
















　　自然界で懸命に生きている草木に
　　目も心も奪われながら
　　かけがえのない家族と共に生きていけることの幸せを
　　私はありがたいと思った。